平坦な道でつまずく
段差があるならいざ知らず、平坦な道でもつまずく。普通に歩いていてつまずいたので、足元を確認したけれど、特になにもない。こんなことってあるのでしょうか?
そもそも、どうして躓(つまず)くのでしょうか。自分が思っているよりも足があがっていない可能性が、理由として考えられます。
脳など中枢神経系に問題があったり、椎間板ヘルニアによって足へ行く神経が重度に障害されていたりすると、思うように足があがらないのは当たり前です。しかし、医者から特に問題がないといわれた場合は、筋肉の機能が低下していることが多いです。
まず足全体が上がっていない場合、股関節を曲げる筋肉に問題がある可能性があります。腸腰筋や大腿四頭筋に、脳からの指令が上手く届いていない状態です。カイロプラクティックでは、足に神経を送っている腰椎(腰の背骨)にアプローチすることで、神経の働きを整えることができます。すると脳からの指令がしっかりと伝わって、上記の筋力が改善されることがよくあります。また、骨盤のバランスを調整することで、効果がでることもあります。
次に、つま先だけが上手く上げられていない場合、足首を反らせる(背屈させる)筋肉の機能が落ちていると思われます。カイロプラクティックでは上記のように、腰椎にアプローチをして良くなることがあります。それ以外では足の関節に問題があると、筋力を発揮できないことがあります。足の関節の動きを整えることで、足からの信号が脳に伝わるようになります。すると脳からしっかりと信号が返ってくる状態になり、足首を反らせる動きが自然とできるようになります。足の裏が疲れやすくつりやすい方、内反ねんざをよくする方、足の裏にタコができやすい方は、こちらの可能性があります。
年齢が上がってくると、「歳だから仕方がない」と諦めてしまうことがあります。しかし、年齢を重ねてきた方ほど、機能を回復・維持させることが重要になってきます。なぜなら高齢者の転倒で多いのが、大腿骨頸部(けいぶ)骨折だからです。高齢者が股関節のところを骨折して手術ができないでいると、寝たきりになってしまいます。すると肺炎や認知症などの合併症ともとれる病気を併発してしまいます。骨折した後、手術待ちの間に寝たきりになることもよくあります。ですから、転倒して骨折をしないよう、いつまでもしっかり歩ける状態を維持していくことが、リスクを回避できて予防につながるのです。(G)