妊婦さんのヘルスケア(マタニティ整体)5「坐骨神経痛の対処法」

妊娠中に坐骨神経痛になってしまったけれど、胎児への影響を考えるとなかなか薬も飲めないし、整形外科へ行っても「出産すれば良くなります」と言われるだけで、この辛さから解放される方法はないのでしょうか?

そもそも坐骨神経痛とは、どのようなものでしょうか。
坐骨神経痛は、腰やお尻や足にしびれや痛みを感じる症状の「総称」です。腰から足に伸びる長い「坐骨神経」に沿った痛みを、簡単に坐骨神経痛と言っています。そのため、原因は様々です。代表的なものには、腰部椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄、梨状筋症候群などがあります。極端な話をすると、太ももの裏側の筋肉が緊張短縮しているだけのストレッチ痛であったとしても、坐骨神経痛と診断される可能性があります。

上記の中で、妊婦の坐骨神経痛の原因となりやすいものは、腰椎椎間板ヘルニアと梨状筋症候群だと思います。腰部脊柱管狭窄は、高齢者に多いです。
椎間板ヘルニアは、腹圧の上昇により症状が悪化します。お腹が大きくなってくると、それまで症状を感じていなかった人でも、症状が増してくる可能性があります。
梨状筋症候群は、梨状筋の緊張によって坐骨神経の通り道が狭くなると症状が出てきます。骨盤の仙骨と股関節を結んでいる梨状筋が、ホルモンで骨盤が開いてくると安定させようとして緊張してしまうことがあります。

妊婦さんは、ただでさえ体形やホルモンバランスの変化にさらされるため、坐骨神経痛になってもおかしくありません。しかし、出産するまで我慢してください、と言われても困ってしまいますよね。

日常でできる対処法としては、大きく二つあります。
まずは、一人でいろいろなことを抱え込まず、家族や友人など周囲に協力を依頼することです。ストレスは痛みを増加させますので、できるだけ減らしていきましょう。ゆったりとした気分で過ごせると、ストレスから解放されます。
もうひとつは、お腹が大きくなってきたときに、抱き枕を使用することです。仰向けがきつくなってくると、横向きの方が楽になります。そのときに、足の間に抱き枕やクッションを挟むことで、腰や骨盤の負担を軽減することができます。とにかく楽な体勢をみつけましょう。

カイロプラクティックでは、坐骨神経痛の原因を検査で確かめて、そこに対応していきます。下肢伸展挙上検査で椎間板ヘルニアが疑われる場合、その部位に負担がかからないような体勢を見つけて、整体していきます。また、骨盤の開きが原因である場合、ローフォーステクニック(少ない力)で骨盤の変位(ゆがみやねじれ)を正して、痛みの少ない位置に調整していきます。その上で、カイロプラクティック検査で問題のある箇所を調節し、安定化をはかります。状態次第では、骨盤ベルトとの併用で、できるだけ早期の改善を目指します。
このようなカイロプラクティックは、妊婦の方でも安全にうけることができます。お腹の大きさにより専用マットを使ったり、テクニックを変更したりするので、安心してご相談ください。

まとめ
・坐骨神経痛は、その原因に対応していく必要がある
・日常生活で、精神的・肉体的に楽な状態を心がける
・カイロプラクティックで症状の軽減をはかる