産前・産後のヘルスケア「手のしびれ」

妊婦さんや子育てママに多い症状は、肩こり・腰痛だけではありません。意外に多いのが、手のひらや指のしびれ・痛みです。

小指以外の指が痛い場合(特に、人差し指、中指、薬指の親指側)、手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)の可能性があります。正中(せいちゅう)神経と呼ばれる神経の通り道(手根管)が、手首のところで狭くなったことによって起こります。原因は通り道をせまくする要素の全てですので、むくみやすい妊婦さんや、手を良く使う子育てママに多いのもうなずけます。男女比も、女性が男性の6倍といわれています。寝ていると手が心臓と同じ高さになるので、夜間から明け方に症状が増悪しやすいのが特徴です。手を振ると、少し症状がやわらぐことがあります。

簡単なチェック方法は、手首を反対の指先でちょんちょんと軽くたたいてみます。そのときに、指に痺れや痛みがでると早めに処置した方が良いです。また、両手の甲を合わせて指先を下に向け、肘を曲げる体勢を1分くらい続けたときに、同じような痛みが出る場合も、手根管症候群が疑われます。

放っておいて症状が進行すると、親指の付け根のふくらみが、反対の手に比べてやせてきてしまいます。オッケーサインができなくなると重症です。そうなる前に、整形外科で診てもらってください。外傷性の骨変形や骨折・脱臼があったり、進行しすぎて筋肉の萎縮があったりすると、手術の適応になることがあります。しかし整形外科でそこまで問題にされなかった場合は、鍼灸や整体、カイロプラクティックで相談してみるのもひとつの方法です。

カイロプラクティックでの対処法としては、まず手を支配している神経と関わりのある背骨をチェックして、問題があればそこを調節していきます。こうすることで、自然治癒力を高めることができます。また神経の通り道を確保できるように、直接手首の関節を調整していくことがあります。(G)