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  • 2026.08.14
  • カイロTopic【健康】

『養生』という考え方で健康に〜エッセンシャル『養生訓』〜

『予防医学』や『一次予防』がことさらに政府やメディアに取り上げられるなどによって推奨されるようになったのは、“生活習慣病”や“メタボリックシンドローム”などの言葉が広く使われるようになり国民皆保険制度による医療費の税金負担増が言われるようになった数十年前からのように感じますが、実は日本にはもっと昔から病気にならないための生き方・『養生』という考え方がありました。

養生という熟語は“養生テープ”や“芝生養生中”などといった言葉で目にしたことがあるかと思いますが、日本国語大辞典によると「生命を養うこと。健康を維持し、その増進に努めること。摂生」と定義されます。
『養生』という概念は8~9世紀(飛鳥奈良〜平安時代初期)頃に中国大陸から伝わったもので、『養生』に代わるようなかたちで『健康』という言葉の方が使われだしたのは、明治時代(19世紀後半・1968)になって西洋医学を重視する政策がとられるようになってからのことです。

『養生訓』は、江戸時代の医師・貝原益軒が著し1713年に出版されてから幕末までのおよそ150年の間に12回も重版され、以来現代まで読み継がれているいわばロングセラー“日本人のための健康ノウハウ本”です。
『養生訓』の詳しい内容については中公文庫や岩波文庫や日本評論社などから口語訳されたものやもっと分かりやすく解説などが付いているものもたくさん出版されていますのでそちらをお読みいただくとして、おおまかにどのようなことが書かれているか見ていきます。

1. 「精神の養生」…心の持ち方
* 養生の道を行う心構え:自分の身体は天と親から授かって子に伝える大切なものであるため傷つけるようなことをせず、日々の小さなことに感謝して楽しむ。
* 欲望の抑制…内欲を絶つ:怒り,悲しみ,憂いなどといった負の感情の高ぶりや、欲望(名誉欲,物欲,性欲など)を抑え、心を穏やかに保つ。

2. 「肉体の養生」…食事と生活習慣
* 飲食は腹八分目:暴飲暴食を避け、腹八分目を徹底する。味の濃いものや脂っこいものを控え、旬のものを使ったあっさりした食事を心がける。
* 冷たいもの,生ものを控える:胃腸を冷やさないように温かい食べ物,飲み物を基本とする。
* 食後の適度な運動:食後に軽く歩くなどして、血行を良くし、消化を助ける。ただし食後は息が上がるような激しい運動は避ける。
* 早寝,早起きをして、過度な休息を避ける:寝すぎ,座りっぱなしは体に悪影響を与えるため、適度に身体を動かす。

3. 環境と疾病予防
* 外邪…環境の悪影響を防ぐ:風,寒さ,暑さ,湿気などの環境変化に注意し、冷えや風邪を防ぐ。
* 病気になる前の予防,未病:病気になってから治療するのではなく、日頃の養生で病気を予防することが最善である。

4. 薬の使い方と養生の基本
* 薬に頼りすぎない:むやみに強い薬を飲むと体を害するため、まずは普段の食事,睡眠,運動によって調子を整える。
* 継続が重要:養生は一時的なものではなく、生涯にわたって毎日続けることが大切である。

『養生訓』の内容は実用的でありながら、その根底には「自分の体を大切にし、無駄な欲望を抑えて心を穏やかにし、日々を楽しむことが長寿と幸福につながる」という貝原益軒の“養生哲学”があります。
実用的な面については、当時と現代とでは生活スタイルや食糧事情も違えば、医薬の常識や治療技術なども全く比べものにならないほど進歩したので、そのまま真似るというわけにはいかない部分もあります。しかしその根底にある“養生哲学”から学べることを現在の自分の生活に当てはめ、『養生の道』を行うことは有効なのではないでしょうか。
姿勢については「座るときは正座をし、姿勢を正し重心を左右どちらかに偏らせてはならない。休息時はあぐらの姿勢もよいが、しゃがみ姿勢は腰痛を招くため避けるべきである。また、椅子に腰掛けることは床に座るよりも血行を促すが、その際も背筋をまっすぐ伸ばすことが肝心だ。」「座りっぱなしは体に悪影響を与えるため、適度に身体を動かす。」などというようなことが書かれています。床に正座をする機会は現在では一般的にほとんどないかもしれませんが、その他の部分は今でも気をつけて実践したいところです。
(M)

【この記事の執筆】STARカイロプラクティック編集部(院長・スタッフ)

この記事の監修

高橋壮平(STARカイロプラクティック院長/有限会社メディトリナ代表)

  • 豪州ヴィクトリア州立RMIT大学カイロプラクティック科卒業(2003)
    応用理学士、カイロプラクティック理学士
  • 日本カイロプラクターズ協会(JAC)正会員
  • 日本カイロプラクティック登録機構(JCR)登録カイロプラクター(N0.0431)
  • 専門分野:腰痛 肩こり 頭痛 しびれの他 骨盤 姿勢矯正など

患者さま一人ひとりの状態に合わせて丁寧に施術を行っています。健康で快適な毎日を送れるようサポートいたします。