妊婦さんのヘルスケア(マタニティ整体)4「逆子ってなおる?」

変形性股関節症は、先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全から続発するので早期発見で治しちゃいましょう、というお話が前回でした。そのリスク要因として逆子があることも書きました。そこで今回は逆子についてです。

通常は頭位といって、お母さんの子宮内で胎児の頭は下にきます。そうでないものを骨盤位といい、逆子は骨盤位のことです。骨盤位にも、殿位、足位、横位があります。

胎児がまだ小さいうちは、自由に動き回れるので特に問題はありません。28週前後になると、胎児の成長とともに頭の重さで頭位になっていきます。この時期に、頭が下になっていないと逆子といわれることが多いようです。逆子は30週くらいまでが戻りやすいといわれていますが、40週の出産時まで逆子のままという割合は5%程度と言われています。ほとんどの方は、週数は違えど自然と頭位に戻るようです。

ただし、逆子での自然分娩での出産には、リスクがあります。破水しやすかったり、難産になりやすかったり、赤ちゃんが低酸素状態で仮死状態になりやすかったりします。そのため、逆子の状態が続くと帝王切開での出産をすすめられる可能性が徐々に高くなっていきます。産院によってその判断はまちまちですが、帝王切開が決まってから逆子対策をするよりは、早めに対策をして安心したいところです。対策をしても、リスクはないのですから。

逆子体操や、お灸、ツボを押すなど、逆子対策は様々です。逆子になる原因がよく分かっていないため、これが万人に有効というものはありません。冷えやストレスとの関係もあるといわれているので、温めるのも良さそうです。万人に効くものがないので、自分の信じた方法をできる限りやってみるのが、後悔しない方法とも言えます。

カイロプラクティックでは、骨盤のゆがみを正すことで骨盤内のスペースを確保していきます。また、妊娠中の問題と関わりの深いと言われている腰椎にアプローチすることもあります。その際、お腹が大きく、骨盤が緩んできている場合、ローフォースと呼ばれるテクニックを使用することで安全に施術することができます。また、専用のマットを使うと、うつ伏せで寝ることもできます。妊婦さんから「うつ伏せで寝られるって幸せですね」との感想がよく聞かれます。上記の逆子対策同様、カイロプラクティックをしておけば必ず頭位に戻るとは言えませんが、骨盤周囲の状態をベストにしておくことで胎児にもいい影響がでる可能性が高くなります。海外では、妊娠中にカイロプラクティックケアを受けていた人は、お産が軽かったという報告があるくらいです。

もし様々な対策をしても逆子がなおらず、帝王切開になってしまったときは、前向きに考えてみましょう。自然分娩であれば、いつ生まれてくるかは予定が立てられません。そのため、ご主人に立ち会ってほしくてもタイミングが合わないこともあります。逆に、帝王切開での出産になれば、ご主人が立ち会えるところで手術の予定を入れることができます。とにかく不安を残さないように、納得できるまで産院の先生に相談をして、出産に備えてください。(G)