産後はすぐに腹筋を鍛えた方がいいのですか?

A.腹筋は鍛えた方がいいです。ただし、出産直後~1ヶ月(帝王切開の場合は2ヶ月)くらいは無理をせず骨盤底(や切開部)を休ませて、~3,4ヶ月くらいは焦らずにまずは骨盤の位置や骨盤底筋を意識して姿勢に気をつけるといいと思います。

妊娠中、胎児の成長にともなって徐々に腹筋や骨盤底筋は引き伸ばされ、骨盤はゆるんで開いていきます。さらに骨盤底は出産のときにもっとも大きなダメージを受け、産後の会陰部の痛みや下腹ぽっこりや尿もれの原因になります。
出産後、子宮はおよそ6週間で元に戻ります。腹筋や骨盤底筋・骨盤も元に戻ろうと徐々に締まっていきます。順調にいけば骨盤底のダメージは1~2ヶ月でほとんど回復し、骨盤が本格的に締まり始めるのは産後4~6ヶ月くらいからです。
骨盤が緩んで不安定な時期にあまり無理をすると腰や背中を痛めることになりかねないので、体の回復に合わせて少しずつととのえましょう。
出産直後~骨盤底筋が回復してくる時期には、まず骨盤を立てて坐骨(お尻の少し前方にある骨)で座るようにして背筋をのばしたり、お尻あるきや仰向けになってお尻を持ち上げるエクササイズをしたりして骨盤の位置をととのえたり骨盤底筋で腹部内臓を支えられるようにしたりすると良いです。
骨盤底筋が回復してきたら、座位や仰向けで脚を持ち上げたり、腰振り・腰回しなどをおこなったりして少しずつ腹筋群や内転筋群(内ももの筋肉)を強化していきます。
そうしてととのえた骨盤が締まりだしたら、腹圧を高めるようなカールアップなどの腹筋をはじめて妊娠中についた脂肪を落としていきましょう。

カイロプラクティックの施術も、産後の期間や経過、骨盤の状態などによって、骨盤そのものよりは腰や背中の骨を矯正することも多いです。
特に妊娠中の反り腰姿勢の影響で、骨盤のすぐ上の腰椎や、腰の上の方(胸腰移行部と言います)は硬くなってゆがみがあることが多く、またこれらの部位にゆがみがあることでますます腹筋やお尻の筋肉の筋力が発揮されにくい状態であると言えますので産後に矯正をすることは大切だと考えます。
産後でダメージを受けている状態で赤ちゃんのお世話をするので、首・肩・背中・腰など痛くなりやすいです。そんな産後の肩コリや背中のハリや腰痛などの症状にもカイロプラクティックはお役に立てると思います。
そして痛みが軽減したら、お尻あるきや腰回しや骨盤底筋の引き上げなど、赤ちゃんと遊びながら、あるいは抱っこしながらゆるゆるとおこなうことができるエクササイズから始めて、痛みなく進めていくと良いと思います。
「会陰部の痛みも尿もれもほとんどないし産婦人科の先生に順調に回復してると言われたしどんどん腹筋したい」という場合には、もちろん背骨と骨盤のチェックと矯正をした上でホームエクササイズもお伝えします。
どんなタイプの産後の方でもお気軽にご相談ください。
(M)