ママ・パパに知っておいてほしいこと②「先天性股関節脱臼の治療について」

パパ・ママに知っておいてほしいこと~先天性股関節脱臼~記事の続編です。

もう一度おさらいしておきましょう。
・先天性という病名ながら、後天的になることも多い
・そのため、発育性股関節形成不全と呼ばれることもある
・女児がなりやすい(男児の6倍くらい)
・変形性股関節症の90%が、先天性股関節脱臼から二次的に続発する

原因になりうるリスクは、遺伝、逆子、秋から冬に生まれて厚着させていた、スリングやおくるみで足を真っすぐにしていた、等さまざまです。
3カ月検診で見つかることが多いですが、見逃されてしまうこともあります。歩かない時期は症状がないので、周囲の大人が気を付けてあげると良いですね。変形性股関節症のリスク回避という意味でも、重要です。なぜなら生後6カ月までに早期治療すれば、約85%がリーメンビューゲルという装具で治すことができると言われているからです。

おむつ交換のときに、以下のポイントをチェックしてください。
・足の開き方に左右差がないかどうか(片側だけ固くて開きにくい)
・太もものシワの数に左右差がないかどうか
・足の長さが左右で違っていないか

こうしたポイントがある場合、乳児検診で何も言われなくても小児科で聞いてみるといいでしょう。検査で疑いがあれば、レントゲンで確定できます。

さて、治療は先ほど少し書きましたが、リーメンビューゲルという装具が第一選択となります。足に装具をつけて、肩からベルトで固定します。動きが制限されることで、自然整復されていくのを待つ保存療法になります。期間は1か月から3カ月くらいが多いです。最初は赤ちゃんが嫌がることがありますが、徐々に慣れてくるのでそれまでの辛抱です。これで約85%が治るので、早期発見にこしたことはありませんね。
リーメンビューゲルでは治らなかったときに、牽引(徒手整復)や手術になります。徒手整復といっても、カイロプラクティックでは行いませんので専門医にご相談ください。

カイロプラクティックがお役にたてるのは、先天性股関節脱臼から続発した変形性股関節症だけど手術するほどではない場合です。股関節の機能維持のため、腰椎・骨盤・股関節・膝関節・足関節の動きを正していきます。先天性股関節脱臼には遺伝要素もあるので、お子さんに見つかってからお母さんも実はそうだったのかもという場合が結構あります。股関節がなんとなくおかしいお母さんは、カイロプラクティックで検査してみてはいかがでしょうか。
(G)