骨盤の前傾と腰痛
先日放送された「名医とつながる!たけしの家庭の医学」で、腰痛改善・予防に効果的な「太もも伸ばし体操」というものが紹介されていました。
太ももの前側の筋肉=大腿四頭筋が固くなって伸びなくなることが、治らない腰痛の原因のひとつとして考えられるということが医学の世界でも研究されて近年判明したということです。
筋肉が固くなるということは、柔軟性がなくなるということなので、伸びにくい状態であるということです。
大腿四頭筋が固くなると、この筋肉が付着している骨盤が前方に引っ張られてしまいます。そうして骨盤が前傾すると、骨盤とつながった腰の骨も前方へ反る(=反り腰)方向にカーブが強くなり、腰に大きな負担をかけて腰痛を起こしてしまうのです。
反り腰がどんどん過剰になると、腹筋はますます引き伸ばされるので弱くなっていきますし、腰にかかった大きな負担は椎間関節を圧迫したりすべり症をおこしたりする原因にもなってしまいます。
大腿四頭筋が固くなること以外に、ハムストリングス(太ももの後ろ側の筋肉)や大殿筋の筋力が低下することによっても骨盤の前傾は亢進します。それから腹筋が弱いことも反り腰(腰椎過剰前弯)を引き起こします。
筋肉が柔軟性を失って固くなるのは、日常的に動かされていないことが主な原因です(鍛えられている筋肉は、リラックスしているときには意外と柔らかいものです)。
そして、番組内で「太もも伸ばし体操」を紹介した先生もおっしゃっていましたが、筋肉はよみがえる組織です。
ですから、番組内で紹介されていた「太もも伸ばし体操」や腹筋や殿筋などの筋トレも、骨盤の前傾や腰椎過剰前弯による腰痛に有効だと思います。
私たちカイロプラクターがもうひとつひろめたいのは、筋肉が固くなったり筋力低下をおこしたりして本来の力を発揮できないのは、背骨の「ゆがみ」があるからだということです。背骨のゆがみは日頃の姿勢、日常生活や、その中で受けるさまざまなストレス(通常の精神的なストレス以外にも、重力や気圧その他外部の要因)によって引き起こされるものですので背骨がゆがむことと筋肉が固くなることは連動しています。
太もも伸ばし体操やエクササイズを取り入れるとともに背骨のゆがみを矯正することでより良い状態をつくって骨盤の前傾による腰痛とおさらばしましょう。
(M)