不整脈の症状 脈が飛ぶ
不整脈とは、脈の打ち方がおかしくなることです。これは心臓のリズムの乱れを意味しています。脈が飛ぶだけではなく、不規則になったり、頻脈といって異常に脈を打つのが早かったり、その反対に徐脈といって脈を打つのが極端に遅いものも含まれます。ちなみに脈拍の正常値は、一般成人で1分間に60?100回とされています。
心臓のリズムの乱れは、どのようにして起きているのでしょうか。心臓は筋肉でできたポンプですが、筋肉を動かすために電気が流れるようになっています。この電気の流れに乱れが生じると、心臓の筋肉が正しく働かなくなってしまうのです。電気の流れる伝道路に異常があるのが不整脈で、心臓の血管に異常があっておこる狭心症や心筋梗塞とは別物です。ただし、心臓の病気があると、二次的に電気の流れが悪くなり不整脈になることもあります。
では、命に関わる不整脈は、どのようなものがあるのでしょうか。
まず、急に意識がなくなり失神する場合が、最も危険です。一時的に心臓が止まっているか、極端な頻脈(脈が早い)が起きている可能性があります。
次に、脈拍が40回/分以下(徐脈)で、体を動かすと息切れやめまいがする場合も、危険です。
さらに、突然始まる動悸も、要注意です。頻脈が起こっている場合が多く、脈拍が1分間に150?200回にもなると、血圧が下がり息苦しく、冷や汗が出ます。
この3つのパターンは病的なものですので、すぐに循環器科を受診して検査を受ける必要があります。心電図や、24時間のホルター心電図、運動負荷心電図、超音波検査などを行います。不整脈は、ほとんどが治せる病気となっています。徐脈にはペースメーカーで、頻脈にはカテーテルアブレーション(心筋焼灼術)で対応することができます。薬で対応できるものもあります。
では、命に関わらない怖くない不整脈には、どのようなものがあるのでしょうか。
脈がたまにとぶ程度の場合や、症状がない徐脈の場合、ほとんど心配ありません。また、生理的な反応として、運動時や興奮時に脈が速くなります。これも心配無用です。
心臓は、1日に約10万回も収縮と拡張を繰り返しています。その中で、時として不規則になる場合もあります。健康診断でたまたま不整脈だけがみつかった場合、病気とは関係がないことがほとんどです。なお、1分間に10回以上脈がとぶ場合は、検査が必要です。
脈がとぶのは、期外収縮が起きるためです。期外収縮とは、心筋が予想外に収縮することです。このため、胸がドキンと感じることがあります。血圧が下がりきる前の余分な拍動であるため、脈が弱く、脈がとんだように感じられます。それが連続でおこると、今度は血圧が上がらず、十分な血液を全身に送ることができません。すると、めまいを感じるかもしれません。
不整脈は、健康な人にも起こります。命に関わる不整脈でない場合は、日常生活に原因があります。寝不足などの不規則な生活習慣や、精神的なストレス、アルコールの多飲・常用などです。こうした日常生活を送っていると、自律神経の働きが低下してきてしまいます。自律神経は、自分の意思では動かせない内臓を調節しています。当然、心臓にも影響がでてきます。病気ではない特発性不整脈の場合、自律神経のバランスが整ってくると、症状が軽減してくることがあります。
カイロプラクティックでは筋骨格系をメインに扱いますが、自律神経の働きを整える効果もあると言われています。臨床上、背中や首の不調に対しての施術を行っていると、不整脈が以前ほど気にならなくなってきた、という言葉がよく聞かれます。カイロプラクティックでは、心臓の働きと関係が深いといわれる部位や、自律神経との関わりが深いといわれる部位があります。そうしたところに筋骨格系の不調がある場合、そこを整体していくことで、2次的に内臓の働きにも効果がみられることがあります。病的な不整脈ではないけれど気になる場合、医師に相談すると心因性という判断になることがあります。薬で症状が落ち着いてそれで大丈夫だという人もいれば、薬を使い続けることに抵抗がある人もいらっしゃいます。そうした場合、カイロプラクティックの見方がお役に立てるかもしれません。(G)