[Topic]めまい+耳鳴り=メニエール病?その原因
『めまいがして、耳鳴りがした。耳鼻科へ行ったら「メニエールですね」と言われて薬を処方されたけど、一向に良くならない。どうなっているの?』
あなたのメニエール病は、本当にメニエール病なのでしょうか。
めまいと言えばメニエール、と言うくらいメジャーな診断名になったメニエール病ですが、どういったものがメニエール病なのでしょうか。メニエール病の原因は、一体何なのでしょう。
メニエール病の原因は、内リンパ水腫です。耳の奥にある内耳と呼ばれる部分は、リンパ液で満たされています。リンパ液の流れを感知することで、平衡感覚(前庭神経=三半規管)が分かったり、音が聞こえたりする(蝸牛(かぎゅう)神経)のです。そのリンパ液が増えすぎた状態が、内リンパ水腫です。内耳が水ぶくれのようになることで、内耳神経(前庭神経と蝸牛神経)にかかわる症状が出てしまいます。
メニエール病の症状は、突然おきる激しい回転性のめまい(前庭神経の症状)と、難聴や耳鳴り・耳閉感(蝸牛神経の症状)が、同時におこってきます。内耳の水ぶくれが原因ですので、同時に症状が起きるのがポイントです。回転性のめまいのとき、実際に目がぐるぐる回っていますので、目の揺れ動きが確認できます。症状は、短くても30分は持続し、多くは1時間以上で長いと6時間にも及びます。内耳の水ぶくれがおさまれば、回転性めまいも聴覚症状も同時におさまっていきます。
メニエール病は、再発がよくある病気です。これは、内リンパ水腫がどうして起きるかという、根本の原因が分かっていないからです。おそらく、アレルギー反応か自律神経失調だろう、ということは推測されています。そのため疫学調査では、几帳面な性格の人や、精神的にも肉体的にも疲労している人、ストレスのある人、睡眠不足の人などがなりやすいと言われています。ストレスを減らして、規則正しい生活を送り、疲労を回復させることが、再発防止につながります。
治療は、リンパ液を減らすお薬がメインになってきます。その他、内耳神経の働きを良くする目的で、ビタミン剤や末梢血流改善剤なども使われます。それでも、症状の悪化がみられるときは、手術の適応になることもあります。
症状を固定させないために、早期の治療開始が重要です。
気を付けなければならないのは、めまいの種類や持続時間が違っているにもかかわらず、メニエール病と診断される場合です。診断が間違っていれば、当然お薬は効きません。
めまいには、目が回るめまい以外に、大きく二つの種類があります。ふわふわしたりフラっとしたりする浮動感のめまいや、立ちくらみの眩暈です。こうしためまいを、しっかりとお医者さんに伝えないと誤診につながります。
また、持続時間も要注意です。1分以内におさまるめまいは、メニエールではありません。メニエールは、リンパ液が増えすぎたことが原因です。そのリンパ液が吸収されていくと、症状は落ちついてきます。ですので、症状が軽快するまで、ある程度の時間がかかるのです。
メニエール病は、命にかかわる病気ではありません。ですが、メニエールと同じ目が回るめまいで、命にかかわるものがあります。それは、頭痛を伴う回転性の眩暈です。頭痛があると、脳卒中の可能性があるので、すぐに脳神経外科を受診してください。
メニエールと似た病気に、突発性難聴というのがあります。こちらは、耳鳴りや難聴があって、ある日突然耳が聞こえなくなって、目がぐるぐる回ります。ウイルス感染後の聴神経炎が原因であることが多く、内耳神経がやられてしまうのです。神経が死んでしまうので、耳は聞こえなくなります。しかし、めまいを起こす平衡感覚は、小脳や反対の前庭神経で補われるため、徐々に回復してきます。もし事前にウイルス感染がない場合、脳内で出血している可能性があります。ご注意ください。
いろいろ書いてきましたが、何か変だなと思ったら耳鼻科だけでなく脳神経外科も受診しておけば安心です。耳鼻科や脳神経外科で何も問題がないと言われた場合、カイロプラクティックがお役に立てると思われます。
軽いめまいは、病気でなくても起こります。特に平衡感覚と関わりの深い頸椎(首の背骨)の動きがよくない場合、めまいを引き起こすことがあります。また、首の筋肉が緊張していると、耳のつまった感じが起きてくることがあります。
めまいが起きたり、頭痛がしたり、耳が水の中にいる時のように感じたり、それぞれが同時ではなく時間差で起きている場合、一度カイロプラクティックでチェックしてみてください。また、メニエールの根本原因が自律神経失調の可能性があるため、自律神経のバランスをカイロプラクティックで整えておくことで、メニエール症状の軽減につながる可能性があります。自律神経のバランスが整ってくると、規則正しい生活も送りやすくなりますので、再発予防につながると思われます。(G)