[Topic]風邪(ウイルス感染)後のめまい
風邪で来院を延期された方から連絡があり、「めまいがひどくて歩けない」とのことでした。ちょうど「テレビタレントが耳に菌が入ってめまいで入院」というニュースが流れた時で、同じような感じとのことでした。
そこで今回は、風邪にかかった後のめまい(前庭神経炎)についてです。
症状としては、回転性のめまいが強く、耳の聴こえには問題がありません。ぐるぐる回るようなめまいのため歩行は困難で、場合によっては吐き気や実際に嘔吐することもあります。発症は、風邪にかかってから数日から1週間後に多くみられます。50代男性に多いと言われますが、もちろん女性でもかかります。強い回転性めまいは、その後治まっていきますが、フラフラする感じが続くことがあります。このフラフラする感じは、長いと数カ月続きます。
原因は、ウイルス感染ではないかと言われています。ウイルスによって前庭神経がやられてしまうようです。前庭神経は耳の神経で、平衡感覚にかかわります。三半規管とかの神経です。その平衡感覚の神経がやられてしまい、めまいがおきると考えられています。
それでも多くの場合、めまいは治まっていきます。それは、平衡感覚器官が他にもあるからです。反対側の前庭神経や両側の小脳で代償作用が働くので、徐々にめまいは軽くなっていきます。
発症後しばらくは安静が必要ですが、少しずつ他の平衡感覚器官を使ってリハビリしていくことが重要になってきます。そのため、専門医を受診してお薬を処方してもらいながら、動ける範囲で動いていくことになります。
少し軽くなった後のフラフラ・ふわふわする感じの期間に、個人差があります。カイロプラクティックでお役に立てるのは、この期間をどれだけ短縮できるかといったところだと思います。固有感覚受容器が多いとされる、上部頚椎・顎関節・骨盤の関節・足首の関節の機能を整えておくことで、代償作用を働きやすい状態に整えていきます。
また、小脳の機能に問題があれば、小脳への刺激を効果的に入れることで代償作用を働きやすくすることも可能です(機能神経学)。
めまいが早く落ち着いて日常生活を問題なく過ごせるように、カイロプラクティックでお手伝いさせていただくことができると思います。
(G)