肩や背中コリと「バンザイ寝」の悪循環
目が覚めたら両腕を上げて「バンザイ」のかっこうで寝ていた、あるいはそういう寝相の人が身近にいる、なんて方はいらっしゃいませんか?
寝ている間にバンザイを続けていると、目が覚めた時には腕や肩が固まっていたり、腕がしびれて感覚がおかしくなっていたりしてとても「寝心地の良い寝相」とは言えないのですが、現代人にはそのような寝相・「バンザイ寝」をする人が増えているようです。
どのような人がバンザイ寝をしてしまいがちかというと、猫背やストレートネックの人、デスクワークが多い人や、スマホなどの手元の端末を見ている時間が長い人など、首や肩や背中がこって固くなっている人です。
また、肥満気味の人や鼻づまりの人、ストレスを抱えている人もバンザイ寝をしやすいでしょう。
共通点は、「呼吸がしづらい・浅い」というところにあります。
スマホやPCをのぞき込んでいる時間が長い人やストレスを抱えている人は、体が緊張状態にあって肩や首がこりやすく、さらに胸やお腹を丸めこんだ姿勢で固まってしまうことが多いため、肋骨が下がって胸郭がしぼんで動きが制限され、呼吸が浅くなってしまいます。
そして寝ている間に呼吸が浅くて苦しくなると無意識にバンザイをして腕を上げることで肋骨を持ち上げようとします。そうすると胸郭が広がって肺がふくらむので、一瞬、空気をたくさん取り込めるのです。
その他、肩や背中や腕が痛かったり、筋肉の疲れがたまっていたり、血行不良でこっていたりすると、腕を上げた姿勢でその瞬間は背中や肩の筋肉がゆるんで、楽だと感じます。
しかし前述のように寝ている間にバンザイを続けていると、腕や肩が固まったりしびれたりしてしまいます。なぜかというと、肩から腕にかけての動脈や神経が伸ばされっぱなしになってしまうからです。また、バンザイをして寝ているということは、腕や肩が布団から出ているということですので、その状態が続いて腕や肩を冷やしてしまうことも血行不良につながります。血行が悪くなると筋肉のコリは強くなりますし四十肩五十肩といった痛みの原因にもなります。
このバンザイ寝とコリの悪循環を断つには、やはり「起きている間にできるだけ背中や首肩のコリをゆるめておく」ことが大切です。
カイロプラクティックによる首から背中にかけての背骨の矯正で、胸郭の動きが改善して呼吸がしやすくなったり、首肩回りのこりやすい筋肉がゆるんで血行がよくなったりするはずです。そうなれば、無意識にバンザイ寝をしてしまうこともなくなり、「朝起きたときから肩や背中がこっている」ということがなくなっていくでしょう。
(M)