[Topic]メニエール病
回転性めまいが起こり、吐き気や嘔吐があったり、片方の耳の耳鳴り(ブンブンやゴーゴーという音)や進行性の難聴や耳閉感を伴ったりするメニエール病は、聴覚(蝸牛)や平衡感覚(前庭系)をつかさどる器官で構成されている内耳という部分の疾患です。
内リンパ水腫と言われ、内耳にリンパ液が溜まって、その圧と体積の変化が内耳機能に影響を及ぼして症状が出ます。
発症のピークは20〜50歳の間で、発汗,下痢,歩行不安定などを引き起こすことがあります。
なぜ内リンパ液が溜まってしまうのか、その原因ははっきりとは分かっていません。危険因子としては、頭部または耳の外傷,アレルギー,自己免疫疾患の既往,メニエール病の家族歴などがあります。内リンパ液というのは、正常でも内耳に存在している液体です。供給と吸収が常におこなわれてバランスを保っており、正常な聴覚や平衡感覚に重要な役割を果たしています。
この内耳への供給と体内への吸収のバランスが何らかの理由で崩れて内耳の内リンパ液が増えているとき、内耳の血の流れが悪くなっているのではないかと考えられていますが、医学的には明らかになっていません。ただ、メニエール病の症状が、減塩食やアルコールおよびカフェインの回避や利尿薬によって軽減する(発作の強さや頻度を減らせる)こともあり、血流や、血液内のカリウムとナトリウムのバランスが関係していることは間違いないと言えるようです。
内リンパの増えすぎに伴うメニエール病とその症状に関しては、頚椎のゆがみそのものが原因で起こるめまい,耳鳴り,耳閉感ほどには、カイロプラクティック施術による効果が表れにくいとされています。
しかし、首や背中などのゆがみが改善されてメニエール病の症状が軽快したカイロプラクティック施術のケースは報告されており、内耳の血流やリンパ液の循環の改善には、より内耳に近い頚椎をメインに自律神経のバランスなどの観点からも、背骨全体のゆがみをととのえることは有効だと考えています。
(M)