- 2025.09.09
- カイロTopic【健康】
“関節の軟骨がすり減る”とは? 発生機序と予防策
加齢とともに股関節や膝関節などの関節に痛みが生じて、画像検査をすると「関節の隙間が狭くなっている」「軟骨がすり減っている」という状態になっていることはよくあります。
成人後も軟骨として体にある永久軟骨には、関節軟骨,肋軟骨,耳介軟骨,鼻軟骨,椎間円板などがあり、“すり減る”のは主に運動器の「関節軟骨」です。
関節軟骨は、関節の可動と荷重緩衝を担い、潤滑性,耐磨耗性,耐久性に優れているという力学的に高度に特化した組織です。軟骨細胞と細胞外基質(II型コラーゲンやプロテオグリカンが主成分で水分に富む)からなり、骨とともに「骨格系」を構成する主要組織ですが、骨と違って軟骨には血管,神経,リンパ管が存在しません。
血管もリンパ管もないので、軟骨への栄養は関節腔内の滑液によってもたらされています。成熟した軟骨細胞は旺盛な代謝によって絶えずコラーゲンとプロテオグリカンの合成と分解をおこなっています。
このため、関節軟骨は疾病や外傷に対して「破壊」「変性」「増殖」の3つの反応様式しか持ちません。
破壊は化膿性関節炎にみられる化学的因子や、大きな外傷が加わったときなどの機械的因子によって起こるものです。
“すり減る”場合に起こっているのは変性です。
健常では関節と関節の間(関節面間)の摩擦係数は非常に低く、関節軟骨は摩耗も消失もしません。成長期の関節軟骨は若いほど厚く、高齢者の関節軟骨の表面は黄色く薄くなりますが、軟骨全体の細胞密度,水分,コラーゲンとプロテオグリカンの量は成長終了時からは加齢によってほとんど変化しないそうです。
しかし、軟骨細胞の代謝活性は加齢とともに次第に減り、軟骨基質のリモデリング(コラーゲンとプロテオグリカンの合成と分解)が遅れがちになります。この加齢的変化に過荷重や小さな外傷の積み重ねなどが加わって、軟骨表面の粗ぞう化(滑らかだった表面がでこぼこになる)に始まり欠損が生じる変性が起こります。これが軟骨のすり減りです。
つまり、軟骨のすり減りが起こる要因は、歳を重ねればある程度は誰にでも見られる「経年劣化」のような要素もありますが、単純に活動量が減って関節が硬くなったり筋力が低下したりすることも要因になっているということです。
であれば、過荷重や小さな外傷が生じないように筋力を鍛えたり、代謝活性の漸減を緩やかにするために関節をこまめに動かして代謝を上げたり滑膜の血管を維持したりすることである程度予防ができそうだということです。
男性と比べると筋肉量が少ない女性の方が変形性関節症になる割合が多いことや、年をとって筋肉は細くなったのに体重が増えたという人の方が軟骨がすり減るリスクが高いことからも、筋肉で支えることが関節軟骨にかかる荷重を軽減してくれることが分かります。
左右どちらか、あるいは内側外側どちらかに“すり減り”がかたよっているようなら、筋力だけでなく重心や姿勢のバランスもととのえることも大切です。
筋骨格系だけでなく神経的なバランスと、あるいは自然治癒力の観点からも、カイロプラクティックでサポートできる部分があると考えています。
(M)
【この記事の執筆】STARカイロプラクティック編集部(院長・スタッフ)
- この記事の監修
高橋壮平(STARカイロプラクティック院長/有限会社メディトリナ代表)
- 豪州ヴィクトリア州立RMIT大学カイロプラクティック科卒業(2003)
応用理学士、カイロプラクティック理学士 - 日本カイロプラクターズ協会(JAC)正会員
- 日本カイロプラクティック登録機構(JCR)登録カイロプラクター(N0.0431)
- 専門分野:腰痛 肩こり 頭痛 しびれの他 骨盤 姿勢矯正など
- 豪州ヴィクトリア州立RMIT大学カイロプラクティック科卒業(2003)
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