なで肩の肩こり
ヒトの体格や姿勢は、生まれつきの骨格や筋肉の付き方および仕事内容や日々過ごす環境などの生活習慣などのさまざまな要因によってつくられています。
そんな中で、なで肩/いかり肩という肩のかたちはまず「鎖骨の角度」によって主に決まっています。
正面から見たときに左右鎖骨が水平ではなく喉元から肩に向かってハの字に下がっているとなで肩、極端に上がっているといかり肩というわけです。
なで肩の場合、鎖骨が下がっていることによって鎖骨と関節をつくっている腕(上腕骨)と肩甲骨も相対的に下がっています。
そのため、首から肩全体を支えている大きな筋肉で「上部僧帽筋」が引き伸ばされやすく、引き伸ばされ続けた上部僧帽筋は筋力低下を起こしやすいです。
大きな筋肉が筋力低下を起こしていても重力で下に引っ張られる腕を支えなければならないことは変わらないので、上部僧帽筋の奥にあって肩甲骨を引っ張り上げるはたらきをもつ「肩甲挙筋」が頑張ってくれる結果、今度はこの肩甲挙筋が過緊張を起こしてこりやすいというわけです。
この肩甲挙筋という筋肉は頚椎(首の骨)の上から4つ(あるいは5つ)めまでにくっついているので、肩甲挙筋がこると首のこりも感じます。
なで肩の人は、過緊張を起こしてこっている肩甲挙筋のストレッチは肩こりの改善に効果的ですが、上部僧帽筋は腕の重みを支えて伸ばされることで筋力低下を起こしているので、ストレッチは逆効果になる可能性が高いです。
なで肩の人が上部僧帽筋をもみほぐすのみのマッサージなどを受けた場合に、その時は一瞬血流が良くなって軽くなったと思っても、起き上がってまた腕が重力に引っ張られるとすぐに首肩が重だるい感じがしてきてしまうのはこのためと考えられます。
ですので、なで肩の人の肩こり改善には上部僧帽筋を鍛えることが必要です。首を少しだけ後ろにそらして肩全体を肩甲骨や上腕骨ごとゆっくり引き上げるエクササイズをしてみましょう。
日ごろの姿勢によってエクササイズもしづらいという場合はスターカイロにご相談ください。
カイロプラクティックでは上部僧帽筋に神経をおくっている頚椎のゆがみを矯正して筋力低下の改善を目指して肩甲挙筋の負担を減らすとともに過緊張状態をゆるめて血流改善につながるようにします。
(M)