扁平足と背骨のゆがみ
足に問題を抱えている人は多く、ある調査によると現代日本人の7~80%はいわゆる「扁平足」という足の変形があると言われています。
扁平足(あるいは偏平足)は、足の裏に土踏まずなどのアーチがなく扁平(ひらべったい)な足のことです。
土踏まずは誰しも乳児期にはなく、歩き始めてから8歳くらいまでの間に形成されます。その時期を過ぎても土踏まずが形成されてないと一般的に扁平足といわれます。
またいったん形成された土踏まずが、足に合わない靴による圧迫や、怪我、運動不足、体重増加などの原因により消失することもあります。
扁平足でもかならずしも日常生活に支障が出るわけではなく痛みがなければ治す必要はないと言われていますが、扁平足だと路面からの衝撃の吸収・緩和が難しくなり、足(下肢)のみならずからだ全体の負担が大きくなって背骨のゆがみを生じる原因になりますのでカイロプラクティック施術の際のチェックでも重要視することがあります。
扁平足だと、土踏まずによる内側のアーチがない分、足関節が回内する (足首が内側に傾く)場合が多く、それにつられて脚が内旋(内また方向に捻じれる)して下降します。
脚は股関節のところで筋肉などによって骨盤とつながっていますので、骨盤も下方に変位します。
そうすると脚や股関節周りと殿部の筋肉にも過伸展や過緊張などのアンバランスが生じます。
また、扁平足の左右差が大きい場合、より扁平な足の側の寛骨(腰骨)が後方に傾斜し、腰椎の5番(背骨の一番下で骨盤の仙骨と関節している骨)が扁平足側に捻じれます。
ここまでゆがみやアンバランスが生じてくると、頭を地面と平行に保つようにバランスを取っている私たちのからだは、たとえば腰椎が右に捻じれてバランスをとるために胸椎(背中)が左に傾いて巻き肩になったり、頚椎(首)に捻じれが出たりして全身の筋肉や背骨全体に影響が出てしまうのです。
「たかだか土踏まずがないというだけ」でも骨盤や腰椎だけでなく胸椎や頚椎の矯正も必要になるのはこのためです。
また、背骨がゆがんでいることは神経のはたらきを妨げますので、もちろん下肢のアンバランスや足の裏のアーチのくずれにもつながります。先ほど、いったん形成された土踏まずがさまざまな原因により消失すると書きましたが、その原因が腰椎のゆがみのこともあるということですので、カイロプラクティックの矯正を受けて神経のはたらきをととのえたうえで「足指じゃんけん」や「タオルギャザリング」、「スモールフット」などのエクササイズをするとより効果的です。
(M)