コリや痛みの原因に新説1?「モヤモヤ血管」
「肩こりが慢性化したり悪化したりして痛みがある」,「五十肩のような痛みが1年半以上長引いている」
このような肩の痛みは、ただ筋肉がこっているだけではなく「モヤモヤ血管」が原因である可能性があると言われるようになってきました。
モヤモヤ血管とは、普通ならできないところに不自然に増殖している異常な新生血管のことを指すようです。血管造影画像で見ると正常な血管とくらべてモヤモヤとかすんでいるため、わかりやすいように「モヤモヤ血管」と呼ばれています。
人間の身体は、何らかの損傷を受けたり炎症が起こったりして細胞がストレスを受けたときに、回復を促進するため種々の分化能を持った幹(前駆細胞)が出てきます。その一つに血管内皮形成に関わる血管内皮前駆細胞があります。この細胞がでてくると新しい血管が作られるようになり、栄養を送り老廃物を運び出して組織を修復しようとするはたらきがあります。人間のからだは、血管が増えると一緒に神経もならんで増えるようになっています。この増えた神経が過敏になって痛み信号を脳に送ってしまいます。
新生血管は通常、その部分の組織の炎症が治まったり修復が完了したりすると自然に消えていくものです。しかし、不良姿勢でデスクワークを続けていて常に首肩の筋肉に負担をかけて慢性炎症の状態になっていたり、血管を消す機能が加齢などの原因で低下したりすることによって、生じた新生血管が残ってしまうことがありそれがモヤモヤ血管として肩の慢性的な痛みとなってしまうのです。
このモヤモヤ血管を消すために、専門の病院ではモヤモヤ血管を減らす作用のある薬剤を用いた注射や、もともとある正常な血管には影響を与えず異常で未熟な血管のみを詰まらせて消す粒子を注入するカテーテル治療などが行われているようです。
上記のようなことが原因で異常な新生血管が残ってモヤモヤ血管となるのであれば、それを消す・あるいは作られないようにするために首肩の筋肉の負担を減らしたり、正常な血管の血流を良くしたり、異常な血管を(組織が修復した後に)消すという本来備わっている機能が高まるようにしたりすれば良いということだとカイロプラクターは考えます。
そのために、首肩の筋肉や血管に近く、関係も強い頚椎の問題をメインに、姿勢が悪くなる原因となっていると考えられる骨盤や背骨の傾きや、からだの回復力を低下させていると思われる背骨のゆがみなどをさがしてカイロプラクティックの矯正をおこなって、首肩の痛みの改善や再発防止のお手伝いにもなるようにと考えて施術します。
(M)