若返りホルモン「DHEA」って何
DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)は、副腎や性腺で産生されるステロイドホルモンで、男性ホルモン(アンドロゲン)や女性ホルモン(エストロゲン)など50種類以上ものホルモンに変換される前駆物質です。
身体に対する作用はテストステロンに類似していて、成長ホルモンとともに「若返りホルモン」と呼ばれてメディアでも注目を集めているようです。
DHEAは体内で分泌されるもので、20歳前後までは副腎の機能に問題があるなどの異常がない限り体内に豊富に存在しています。40歳を過ぎたころから不足が気になり始めますが、これは加齢のせいばかりではなく、積み重ねてきた生活習慣の影響やストレスも大きく関係しています。
DHEAはストレスに対抗する抗ストレスホルモンでもあります。ストレスに対抗するホルモンとしてほかにコルチゾールがあり、これも副腎で分泌されるホルモンです。
人間はストレスを受けると、コルチゾールを分泌します。コルチゾールは血糖値を上げることでストレスから体を守ろう(危険を感じたときにからだがエネルギーを必要とするため)とします。しかし、そのときに活性酸素が発生して、これが細胞を酸化させてしまうためからだの老化につながってしまいます。
また、コルチゾールが過剰に分泌されると免疫力が低下したり、筋肉の生成を抑制するばかりか分解を促進したり、骨の生成を抑制したりしてしまいます。これに対してDHEAは、免疫力を向上させ、筋肉の維持を助けますので、DHEAとコルチゾールが相互に連携してはたらくことが大切です。
DHEAとコルチゾールのホルモンバランスが乱れる原因の一つが副腎の疲労です。さらに副腎は酸化に弱いといわれており、コルチゾールなどの分泌に追われ続けるとますます副腎を疲労させ、DHEAの分泌を妨げてしまいます。
睡眠不足もコルチゾールの分泌が増える原因となり、DHEAの分泌減少につながります。睡眠不足はそればかりでなく、睡眠に関わるメラトニンという抗酸化ホルモンやセロトニンという幸せホルモンなどの分泌も減少してしまいます。質の高い睡眠をとることは、ホルモンバランスを整える意味でも重要です。
睡眠不足や副腎の疲労は全身の疲労感としてあらわれます。疲れが取れにくい、睡眠が足りていないなどと感じているときは「若返りホルモン」の分泌も減少してしまってますます回復しづらいという悪循環の中にあるかもしれません。
全身の疲れや背中全体のこりなどをうったえてカイロプラクティックを受けに来ていただいた場合は、もちろん首から骨盤までの背骨全体をチェックしてお一人ずつそれぞれの問題あるところを矯正しておりますが、やはり自律神経に関わるところや副腎に関係する胸椎の可動域が低下していることが多いです。
(M)