小脳を鍛えて転倒を予防する
20年以上前ですが、祖母が庭でつまずいて転倒し大腿骨を骨折しました。手術は成功したものの、高齢でリハビリをしっかり行わなかったため車椅子生活になり、認知症が進んでしまいました。高齢者にとって、転倒はその後の人生を大きく変えてしまう可能性があります。
さて転倒予防につながるセルフチェックとトレーニングについて、ご存知「ガッテン!」で特集されていました。「寝たきり予防の最新メソッド “小脳力”トレーニングSP」という回です。
番組内ではこれまで筋力に焦点を当てていたそうですが、今回は「小脳」に注目したとのことです。
公式サイトにはお役立ち情報として、以下の情報が掲載されています。
01 20秒で判明!あなたの “小脳力”セルフチェック
02 転倒予防やめまい改善に期待!小脳トレーニング
ぜひご覧になって、参考になさってください。
ところで、カイロプラクティックは小脳との関連が深いです。少し専門的になるのですが、小脳には3つの機能領域があります。
その中の一つ脊髄小脳の働きには、背骨(体の中心部分)の安定性、近位関節の安定、視聴覚情報があります。カイロプラクティックで背骨の調節をすると、特にこの脊髄小脳に優位に働きかけることができます。
また番組内での小脳トレーニングは、前庭小脳と呼ばれる機能領域を鍛えるものです。前庭小脳の働きには、頚部体性感覚、目・頭部の動きのコントロール、バランス機能があります。視運動を使ったトレーニングで、この前庭小脳を鍛えてバランス機能を整えることができます。カイロプラクティックから発展した機能神経学でも、ここをターゲットにすることが多いです。
しかし、めまいがある人は、この視運動のトレーニング自体が苦痛な場合があります。そうした時は少し方法を変えて、その人にとってより簡単にできるものから始めていくと良いでしょう。また番組内のトレーニングは万人向けのため、人によっては効果が表れにくい場合があります。その場合は機能神経学の検査を使って、より部位を特定して鍛えていくと効果的です。お困りのことがあれば、ご相談ください。一人でも多く転倒の予防につながることが、私の望みです。
(G)