筋肉の痛み
筋肉の痛みには、大きくわけて二種類あります。捻挫やケガなどの組織の損傷と炎症による痛みと、首肩こりなどの組織の緊張からくる痛みです。
組織が損傷すると、損傷部分を修復するために血液成分が集まって炎症が起こり、そこで生産される刺激物質が筋膜(筋肉を包んでいる膜)を刺激します。この刺激がまた(傷を修復する力をはたらかせるのに必要な)痛みとして感じられるのです。運動後の筋肉痛も、筋肉組織に微細な損傷が起こるために生じると考えられており、こちらの痛みに分類されます。
一方、首肩こりや猫背の背中痛などはなぜ起こるのかというと、血流の低下と固有感覚の刺激が関係しています。
筋肉を動かして筋線維が伸び縮みを繰り返している場合は、伸び縮みを止めてリラックスすれば動かしていた筋肉は緩みます。しかし、同じ姿勢を続けていることで筋肉が緊張してしまう場合は筋線維同士がくっついて筋肉が硬くこわばるので緩まなくなります。硬くこわばった筋肉は血管を圧迫し、筋肉のポンプ作用も低下してしまうので、筋肉へ栄養を送りにくくなったり、筋肉にたまった疲労物質が流れていかなくなったりしてしまいます。そうなると筋肉はますます緩みにくくなりますし、筋肉が付着している関節はゆがみますし、その筋肉の末梢神経はダメージを受けます。時には、もっと血液を全身に送ろうとして血圧をあげるため交感神経のはたらきが上がって更にからだが緊張するという悪循環になります。
固有感覚の刺激によるこりの痛みというのは、前述した筋膜にある固有感覚受容器というものが、組織の機械的緊張(同一姿勢の持続や繰り返し運動などの力学的な性質をもつ緊張)によって刺激され、通常では意識しにくい固有感覚がこれを痛みとして感覚してしまうというものです。
つまり、血流が良くなることと、固有感覚の刺激が少なくなることで、こりによる筋肉の痛みはなくなっていくはずです。
たとえば、石にぶつけたことによってできた傷は、石から離して手当てをし保護していれば、自然治癒力がはたらいて傷そのものが消え痛みもなくなっていきます。
同様にこりも、猫背や長時間座位などによる機械的刺激を少なくし、血液循環によって栄養が補給されたり疲労物質が流れていったりすることで自然治癒していくものなのです。
私たちカイロプラクターはサブラクセーションと呼んでいる背骨のゆがみが、その自然治癒力のはたらきを阻害するものと考えます。
姿勢のクセや、同じ体勢をとり続けることで生じてしまうこりの痛みと背骨のゆがみは相互に影響しあってしまいます。カイロプラクティック「サブラクセーション」を矯正することで姿勢や繰り返しの刺激によるこりを自然治癒するはたらきが高まります。ストレッチやエクササイズなどのセルフケアともあわせて提供いたします。
(M)