[Topic]脊柱側弯症
脊柱側弯とは、背中から見たときに背骨が左右(側方)に弯曲した状態を言います。構築性脊柱側弯症(狭義の脊柱側弯)と、一時的な側弯である機能的脊柱側弯症とを区別します。
一時的な側弯(機能的側弯)は、単なる脊柱の側方弯曲を示した状態の総称です。痛みに対して防御的に筋肉の痙縮が起こって生じる疼痛性側弯と、骨盤の傾きや左右の脚長差を補正するために代償的に側弯の状態を示す代償性側弯とがあります。
カイロプラクティックではこれらの機能的側弯を生じさせている脚長差を伴う骨盤や背骨の傾き，あるいは痛みの原因となっている背骨のゆがみをチェックして矯正し、不自然な側弯の改善を目指します。
構築性脊柱側弯症は、神経疾患や遺伝性疾患などによるものや、半椎(図の②)，楔状椎(図の③)などの骨の形態による先天性側弯なども含まれますが、全側弯症の70〜80％は医学的に原因不明の特発性側弯症です。その内、11歳以上の思春期に発症するものが最も多く、胸椎が右に凸になる側弯が多いです。より若年時に発見された症例ほど側弯が進行しやすく、多くは成長完了とともに進行もほぼ停止します。中には成人になってもわずかに進行する例や、妊娠によって側弯が大きくなる症例もあります。
特発性というのは医学的に原因不明という意味です。神経や筋肉などの疾患もなければ、レントゲンを撮ってみても図の①のようになっているだけで椎骨ひとつひとつの形態に問題がないという意味ですが、カイロプラクティックでは、特発性の腰痛症と同様に、背骨や骨盤の傾き，ゆがみが側弯を生じさせる原因になっていると考え、改善の可能性を見出して施術を行います。
図の①のような場合、背骨の関節の可動制限や傾きが、背骨を(背中から見て)まっすぐな状態にすることを妨げ、またその背骨のゆがみが、背骨を支えたり動かしたりする筋肉に送る神経のはたらきを邪魔して筋肉の痙縮や弛緩やアンバランスを生じさせていると考えられるからです。
また、そのような状態で生活し続けていれば、後天的に椎骨が図の②のような状態になっていってしまう可能性が高いので、背骨や骨盤の傾きやゆがみをただしてバランスをととのえておくことでリスクを低減したいと考えます。
カイロプラクティックで脊柱側弯症が改善するか？という質問に対してはっきりと大丈夫ですとは言えないのですが、背骨や骨盤をただすことで神経のはたらきがととのって、側弯の改善がみられるケースはカイロプラクティックで報告されています。
（M）
