骨と筋肉のターンオーバー
ターンオーバーというと一般には肌の美容に関する用語として使われているイメージがありますが、皮膚だけでなく、骨や筋肉もターンオーバーがあります。
ターンオーバーというのはイメージの通り細胞の入れ替わり・代謝回転(メタボリックターンオーバー)のことです。
生体を構成するあらゆる組織や細胞は、たえず物質を取り入れて新しい物質を合成(同化)し、それとは逆に古い物質の分解(異化)もさかんにおこなわれて、その一部を日々更新しています(異化作用の結果生じた不要物質は細胞外に排出されます)。ちなみに同化や異化の過程でさまざまな物質をつくりだし、またエネルギーを放出することを物質代謝と言います。
私たちの体は、摂取した栄養や運動によって代謝をおこない新しい細胞に入れ替わることで恒常性を保っているわけですが、骨は骨吸収(骨破壊)と骨形成のバランス,筋肉はその元となるタンパク質の合成と分解のバランスが崩れるとそれぞれ骨量や筋肉量の変化が起こります。
骨はおよそ3〜4ヶ月,骨格筋は約2ヶ月かけて入れ替わっています。同時にすべてが入れ替わるわけではないので変化を感じにくいですが、食事や運動の習慣が変わると身体が変化するという体験や実感を得たことがある人も多いのではないでしょうか。
栄養が足りずに飢餓状態になれば分解が合成を上回りますし、運動をおこなうと合成と分解はともに増加し、運動に必要な栄養が補充された場合筋肉のタンパク質は増加します。過剰に食べ続けている場合などは別ですが、基本的にはただ食べる量を減らすだけでなく、運動をした上で代謝に必要な栄養を摂って休息をとることが骨や筋肉のターンオーバー(のバランス)には重要です。
それから、ケガ・たとえば骨折や筋損傷などは修復作用とターンオーバーで治癒していくのですが、慢性的なコリや痛みは、生活習慣や姿勢のクセなどを改善したり身体を動かしたり動かし方を工夫したりしなければ、新しい細胞に少しずつ入れ替わったとしてもそこにかかり続ける負担が変わらないために、症状が取れにくいと考えられます。
筋肉や関節の状態を改善させ、少しずつターンオーバーしていく中で“新しい細胞がより良い状態に入れ替わる”こと、からだ(脳)が正しい動作を覚え負担のかかりにくい状態で過ごすこと、睡眠中自然治癒力によってより良い回復ができることを目指してカイロプラクティックメンテナンスをおすすめしております。
(M)