帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹は、水痘(水ぼうそう)を引き起こすウイルスが再活性化することで生じる痛みのある皮膚の病気(皮疹)です。初めて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染すると水ぼうそうとして発症し、治癒後もウイルスは体内の神経節に潜伏しており、加齢や過労など免疫機能の低下などに伴ってまれに再活性化すると帯状疱疹を発症して痛みを伴う赤い発疹や水ぶくれを生じるというわけです。
ウイルスによって引き起こされる症状なので早期に医師による診断と抗ウイルス薬の治療を受ける必要がありますが、ほとんどのケースで、帯状疱疹が出る10日〜2,3日前に体(主に上半身)の左右どちらか片側の神経に沿って帯状にズキズキする痛みやピリピリ感(あるいはかゆみ)が起こることが非常に多く、その段階でカイロプラクティックにご相談にいらっしゃるケースもまれにあります。
心身に不調があるときは背骨のどこかしらに“ゆがみ”が生じているはずですから帯状疱疹の場合にもそれは当てはまると思いますし、痛みなど症状のせいで頚椎や胸郭などの可動性が低下している可能性はありますのでカイロプラクティックの施術は受けていただくことができますが、症状の出方や、皮膚の状態など帯状疱疹の疑いがあるときは専門医を受診してもらっています。
皮膚の症状が治癒した後も、ウイルスによる何かしらの神経障害が原因で痛みが続いてしまうことがあり、それが胸部に発症すると肋間神経痛を起こします。帯状疱疹後神経痛と言われるのは3ヶ月以上経過しても痛みが続く場合だそうで、内服薬や神経ブロックなどによる痛み止めの治療がおこなわれますが、神経因性疼痛であり多様な病態を呈すため治療に難渋する場合も多いようです。3ヶ月と言わず、痛みが続くのはつらいものですし、痛みを少しでも軽減させる方法としてカイロプラクティックでは、後遺症として“ゆがみ”が残っている場合や「痛み記憶」が神経回路に残っているために生じている神経痛に対する施術として、胸椎や頚椎の“ゆがみ”を矯正することでといったアプローチをおこないます。
帯状疱疹の予防としては、50歳以上の健康な人はワクチンを接種することができます。その他、免疫力の低下が引き金になって発症しやすくなる病気ですから、食事や睡眠を改善したり適度に運動したりして体調をととのえておくことや、背骨や姿勢をととのえて自己免疫力・自然治癒力を高めておくことが大切です。この予防の段階でカイロプラクティックも“より良い状態”に改善,維持するお手伝いができると思います。
(M)