体を動かす習慣がなく運動不足。何から始めたら?
【Q&A】デスクワークで体を動かす習慣がなく運動不足を感じています。何から始めたら良い?
A.片脚起立(片足立ち),姿勢を意識したウォーキングや階段の昇り降りやスクワットなど、気軽に,短い時間でもできて,習慣化しやすく、小さな負荷から始めて少しずつ段階的に強いトレーニングにしていける運動がおすすめです。ウォーキングについてはこちらの記事なども参考になさってください。
「運動不足」は健康や内臓機能など心身のあらゆるバランスを乱し不健康な状態にしてしまうことは経験的にも科学的にも証明されていますが、今回はひとまず“運動器の問題”に焦点を当てて書きます。
ロコモティブシンドロームという言葉を聞いたことがありますか?ロコモティブというのはこの場合「運動の」という意味で、日本語では「運動器症候群」となります。神経,筋,骨格系といった運動器の障害(機能の衰え)によって移動能力が低下した状態のことで、将来要介護になったり寝たきりになったりするリスクが高くなります。
本来は40〜50代以上の人に向けて、運動器の機能低下を防止するための運動習慣をつけるよう促すためのものでしたが、最近はもっと若い人や小学生にまでロコモティブシンドロームが広がっているという話もききます。
転倒や骨折などの障害によるものも含めてロコモの根本原因は、運動不足です。つまり若い人や子どもにも運動不足の人が増えているということです。
病気や大きなケガなど安静が第一とされる場合でも、何もせずに過ごしてリハビリが遅れると廃用症候群という二次障害…特に運動器の問題で言えば骨や筋肉の萎縮,筋力低下,拘縮(関節が固くなり動かせる範囲が小さくなる),異所性骨化(関節のまわりに骨のようなかたまりができて動かせなくなる),運動神経のはたらきの低下とともにコーディネーション(運動を調節する)能力の低下などを起こしてしまうため、治療の早い段階から他動的に動かしたり寝ている姿勢を変えたりして関節可動性を維持するところからリハビリをはじめます。
運動不足とは言っても日常生活で立って歩いたり動いたりしている場合はこのような入院している人ほどではないと思いますが、それ以上の運動を全然していない段階でいきなり負荷の強い運動をはじめても筋肉,靭帯,腱や関節を痛めてしまいます。まずは布団の上でゆっくりと全身の関節を動かしてみたり、つかまるところなど安全を確保した上で片足立ちしたり、歩くときにお尻や太ももの筋肉が使えているか力を入れてみたりするなど、関節が適切な可動範囲をもっていること、そして関節を動かして体の運動を生み出したり関節を安定させて姿勢を保持したりする筋力が発揮されることを意識,確認してみてください。
筋肉がやせ衰えないようにするためには運動が不可欠ですが、まずは関節可動性と筋力を発揮するための神経のはたらきがよい(正常である)ことも重要です。
片足立ちで左右交互に立ってみて、思っていたより・あるいはどちらかだけ大きく早くフラついたりした場合は、背骨の“ゆがみ”や、それによる神経のはたらきや筋力などの機能の低下があると思います。そして運動不足や機能低下がある場合には背骨に“ゆがみ”があるはずです。片足立ちとロコモについてはこちらにも書いてあります。
痛みなどの症状がなくても神経筋肉骨格系に気になることがあればスターカイロにご相談ください。
(M)