質の良い睡眠と腸のはたらきとの関係
腸のはたらきと睡眠が関係していて相互に影響しあっていることが近年の研究で明らかになってきました。
お腹がいっぱいになると眠くなるのは、摂取した食物の消化/吸収のために胃腸のはたらきを活発にする副交感神経のはたらきがより優位になるということも大きな理由ですが、その他に“夜になると眠くなる”のは、夜になると脳の松果体から“睡眠ホルモン”である「メラトニン」が生成・分泌されるからです。
このメラトニンの生成に必要な「トリプトファン」という物資は必須アミノ酸…つまり食物から栄養として摂取することでしか得られない成分です。つまり、摂取したタンパク質が腸内細菌によって分解・合成されてトリプトファンを作り出すのです。
睡眠不足になると、このトリプトファンを作り出す「短鎖脂肪酸」を作り出す善玉菌である特定の腸内細菌が減少してしまいます。短鎖脂肪酸は基礎代謝やエネルギー代謝にかかわるとともに、腸内環境をととのえることに繋がることがわかっていて、良い睡眠は腸内環境をととのえる(善玉菌が増える)ことに繋がり、腸内環境がととのっていると規則的な体内時計(概日リズム)が維持されてメラトニンの分泌も正常におこなわれて質の良い睡眠がとれるというのです。
逆に胃腸のはたらきが低下するとタンパク質の消化がわるくなってトリプトファンの合成が阻害され、メラトニンの生成も減少して睡眠の質が下がり腸内環境が乱れる…といった悪循環に繋がると考えられます。
ちなみに、“幸せホルモン”と呼ばれているセロトニンはメラトニンの原料となるホルモンですのでこれも影響を受けます
まずはよく動く(働く)こと、それから栄養バランスの良い食事をとって、ぐっすり眠ること…健康法として世間一般でも当たり前のように言われているこれらのことを日々おこなうことは経験的にも科学的にも健康に生きるために重要であることは明らかですが、維持することは容易ではないかもしれません。
カイロプラクティックでは、サブラクセーション(カイロプラクティック的に言う背骨の“ゆがみ”)によって阻害されている自律神経のはたらきをととのえ心身のリラックスやより良い睡眠や胃腸の機能回復に繋がるのではないかと考えております。
主に胃腸に関係している中下部胸椎〜上部腰椎や、ホルモンに関係する上部頚椎などの“ゆがみ”が支配神経(自律神経)の通りみちを歪めてその神経のはたらきを阻害しているという考えのもとアジャストメント(カイロプラクティックの“ゆがみ”の矯正)をおこないます。
(M)