関節の「ポキポキ」は何の音?
カイロプラクティックの施術で関節を矯正するとき、あるいは矯正でなくとも日常で背骨をねじったり膝を曲げ伸ばししたり指をぐっと曲げたりすると鳴る関節のポキッという音。この音を「関節をなす骨どうしがぶつかっている音なのかな?」と思っていらっしゃる方も少なくないように思いますが、そうではありません。
私たちスターカイロのスタッフが学んだカイロプラクティックの学校では「関節包中の滑液の中で気泡(窒素化合物)が弾ける音ではないかと言われている」と教わりました。あいまいな表現をされていたのは、科学的にきちんとは解明されていなかったからなのですが、今年2018年3月「関節のポキポキ音は滑液の中の泡が弾ける音」だということを科学的に証明した論文がついに世界的に有名な科学専門誌に掲載されました。
最近、おもしろいと話題のNHKの番組「チコちゃんに叱られる」でも指のポキポキ音についての放送回が人気があったとして11/24(土)に再放送されていました。
番組の中でお医者さんが説明していたことをまとめると、「関節の中には関節を曲げたり伸ばしたりしやすくするために滑液という液体が含まれていて、関節を曲げると滑液中の圧力が変化し、滑液に溶けていた気体が泡になることがある。その泡がはじけることでポキっと音が鳴る」ということでした。
ポキポキの音は100年以上前から泡がはじける音だろうと言われてはいたのですが、科学的に解明しても役に立たないだろうということで医学界でも放置されていたとのこと。この論文を発表したアブドゥル バラカト教授のこの研究のきっかけは息抜きとたまたまだったそうです。
というわけで関節のポキポキ音の正体は「泡がはじける音」です。
ちなみに、「指をポキポキ鳴らし続けると指の関節が太くなる」という噂には科学的根拠はなく、アメリカのある研究者が60年間、左手は指を鳴らし右手は一切鳴らさないという実験をしたところ左右の指の太さは変わらなかったという結果も出ています(そしてこの研究で2009年イグノーベル賞を受賞しておられます)。
M