骨棘(こつきょく)って何?
骨棘(こつきょく)とは、骨の腱付着部や関節面の軟骨部分にみられる関節の変性・変形性関節症の所見のひとつで、骨組織が異常に増殖してできた骨のトゲです。
変形性関節症といえばすぐに思い浮かぶ股関節や膝だけでなく、肩,肘,背骨などなど全身の関節に生じ得ます。加齢性変性としてよくみられる他、強い負荷や繰り返し負荷、スポーツ障害などの場面でも遭遇します。
足底筋膜炎(足底筋膜症)に伴って生じる踵骨棘(しょうこつきょく)は20代~60代の幅広い年齢で発症がみられる骨棘です。
ふくらはぎの筋肉やアキレス腱の硬さ、足底アーチの異常(扁平足など)、足首の骨(足根骨)や中足骨の関節機能不全(外反母趾や足の向きの不良、可動制限など)のある人が走ったり踊ったりすることで起こりやすいです。
踵骨に着く筋肉や腱の異常な硬さの緩和や、足底のアーチの改善には、腰椎や骨盤のゆがみ、足首の関節の安定や可動域の改善のための腰椎へのアプローチが重要です。
スポーツ障害としての骨棘としてもうひとつメジャーなのは、投球動作などに伴う肩の後下方への過剰牽引が原因で生じるベネット骨棘です。
肩甲骨の上腕三頭筋長頭付着部に生じるこの骨棘は腋窩神経という肩周りの筋肉を支配する神経を障害する可能性がありますが、整形外科で保存療法を処方されることも多く、カイロプラクティックでは上腕三頭筋のストレッチ、肩甲骨と鎖骨との関節や肘関節の可動制限の改善、頚椎の矯正などの施術をおこないます。
変形性股関節症や膝関節症のひとつとして骨棘が生じるのは変形が進行してしまってからというケースが多いので、その前に関節可動域の改善や、関節を支える筋肉のアンバランスを整える必要があります。そのためには、腰椎や骨盤のゆがみの矯正と、合わせてエクササイズのご提案をすることもあります。
背骨(脊椎関節)にも変形性脊椎症に伴う椎間板の変性と骨棘が生じます。加齢による無症状のことも多いですが、可動制限とそれによる不良姿勢を放っておくと変形が進んで、脊柱管狭窄となって症状が出たり、慢性の疼痛が生じたりします。
背骨の可動制限は背骨そのものの変性につながるだけでなく、神経のとおり道を阻害することでからだの別の部位にも悪い影響を与えます。
このような変性やそれを生み出し進行させてしまうからだの各部位のアンバランスの予防にもつながるようにカイロプラクティックのチェックと矯正(アジャストメント)をおこなっています。
(M)