手術と入院2
さて前回は手術前に一度再考をというコラムでしたが、「じゃあ手術した場合は?」ということで今回は手術後に腰痛や膝の痛み・肩こりなど、今までは無かった身体の変調、痛みの増強があった場合はどうしたらいいのかについてお話します。
ちなみに私は腰痛でしたが、やはり前かがみになり生活をしていた為か、腰の前弯が少なくなり、いわゆるストレートバックといわれる背骨のS字カーブがまっすぐに近い状態になってしまいました。期間でいえばわずか10日程です。
やはり傷が開かないようにかばって生活していたのが大きな原因です。気胸など胸部の手術後は左なら左に身体を傾けて、虫垂炎や大小腸・生殖器・帝王切開による出産など腹部なら前かがみや左右どちらかならその方向へ、変形性膝関節症など足なら反対の足に体重をかけて、ヘルニアや脊柱管狭窄症など腰部ならやや後体重に、負担が最小限になるように術後の生活を送るはずです。
その期間が長ければ長いほど、普段とは違う部分に身体の負担が集中してしまいます。傷がまだくっついていない内はあまり激しく動くことはできませんが、表面が閉じて入浴が可能になれば、少しずつ歩行訓練やストレッチ(術部と遠い部分から)など、ゆるやかな運動から始めていきます。
左右均等に筋力を戻していくことは簡単ではありませんが、段階を踏んでリハビリを重ねていけば当然可能です。中には忙しくてリハビリに通う時間がない、リハビリ施設が無く退院したという方もいます。その場合には、手技療法(整体・カイロプラクティック・マッサージなど)に頼るという手もあります。
大抵の場合、術後かなり経ってから身体の傾きが気になり来院される場合が多いのですが、できれば痛みが少し引いて、日常生活の負荷がかかっても大丈夫だと思い始めた頃から治療を始めるといいでしょう。
当然通常の治療と全く同じというわけにはいきませんが、患者さんの取れる体勢の中で可能な治療を行なっていきます。傷が完全に治癒するには半年程かかるとも言われています。その間痛みと闘いながら身体のバランスを整える為にリハビリ以外にも運動療法(ヨガ・ピラティスなど)、手技療法(整体・カイロプラクティック・マッサージなど)を取り入れてみてはいかがでしょうか。(K)