動かさないと硬くなる関節=筋肉?
「最近腕を肩より上に上げる動作が辛い気がする、おしりのポケットに入れたお財布や携帯電話が取りにくい・・・ひょっとして四十肩・五十肩かしら?」などと感じてらっしゃる、もしくは病院で診断された方多いのではないでしょうか。
そもそも五十肩(四十肩)とはどのような状態をさすのでしょうか。変形?関節炎?答えはノーです。一般的には関節炎などの病的因子、関節の変形などレントゲンで診断がつく場合を除く、「痛みがあり(寝ている間なども)、病的・解剖学的因子がない、肩の疾病」を指します。簡単に言うと「原因がよくわからないがとにかく痛みがあり動かし辛い状態の肩」ということです。
関節に異常が無いのになぜ肩が痛むのでしょうか?
実は肩関節(肩甲骨と上腕骨)は人間の複雑な手の動きを可能にする為、非常に不安定な構造になっています。股関節の様にはまりこんでいることもなく、背骨や骨盤の様に複雑な形の関節面や強固な靭帯があるわけでもありません。腕や背骨、首、肩甲骨をつなげる筋肉が上腕骨を肩甲骨に安定させ、腕を上げたり荷物を持ったりすることが可能になっています。
この筋肉のバランスは日々の姿勢に大きく影響されています。首を前に倒すスマホ首やストレートネックにより首からの筋肉が疲労、その他の筋肉に大きな負担をかけます。これと同じように腰の悪い方は背骨からくる筋肉が疲労、その他の筋肉に負担をかける・・・・このようにお互いの状態によってバランスが保たれています。
他の場所が悪いから肩を痛める。毎日少しずつなので、気付いたときには肩はボロボロです。動かさないから硬くなる→痛いから動かさない→さらに硬くなり徐々に関節が固まっていく。悪循環に陥った結果ともいえます。
実は五十肩には予防法があります。それは肩を動かすことです。すごくシンプルなことだなと思われた方もいらっしゃると思いますが、実はその単純に見えることこそ大きな予防になるのです。どちらかの方向に動かすことは目立たない間は気になりません。なぜならば大体いつも同じ生活パターンだからです。
ある時スポーツをする、掃除のために棚の上のものを取る、振り返って物を取るふとした瞬間に「痛い!」となって気付くのです。そうならない為にも、日頃から様々な方向へ動かしておくことが大切です。
簡単な体操では肩と同じ側の指先で肩をつまみながら、前後に回すことです。肘を意識しながら大きく回すと肩甲骨も動きますので、かなり効きます。腕を伸ばしたままでは手の動きに気を取られて実は肩はあまり動いていません。
その他にはヨガや体操教室、ジムなどの運動療法があります。やってみたら既に痛い箇所があったという方は整体やマッサージ、カイロプラクティックなどで動きをつけてもらうという手もあります。
まずは今の状態がどうなっているのか、肩をつまむ体操で試してみてはいかがでしょうか。(K)