骨折2
筋骨格系の痛みのうち、外力がかかったことがきっかけで痛みが生じたときは骨折を疑います。打撲や捻挫や突き指など、強い力が急に加わったときはもちろんですが、一度ではまったくダメージを感じない程度の小さな力でも繰り返し同じ部位に加わることで起こる骨折(いわゆる疲労骨折)もあります。
外から見て明らかに異常な方向に曲がっていたり出っ張っていたりといった変形や、関節ではないところで骨が動く異常可動性がある場合などは骨折だとすぐわかりますが、中にはわかりにくいものもあるので、スターカイロにいらした方の中にもときどき「この痛みは骨折か?」といったご相談があります。骨折をした部位そのものに対してカイロプラクティックの矯正をすることは禁忌(治癒を遅らせ悪い影響を与える可能性が非常に高い)とされていますので、以下のようなことがないかといった質問や徒手でのチェックなどをおこなっています。
骨折をしていると、痛めた部分をそっと押すだけで強い痛みが生じます。直に触らなくても振動が伝わるだけで痛むこともあります。痛みが強いためにその部分を動かすことができなくなります。骨折後は数時間以内にその部分が腫れて、内出血のために皮下が紫色になってきます。
骨折後数日の間にこれらのサインがなければ骨折の可能性は低いと言えそうです。
時間が経つと、折れた部分が癒合してきて腫れも引き、痛みも少なく動かせるようになるので“骨折していたかどうか”の判断は難しいですが、骨は再生能力が高い組織で、損傷しても正常な過程で治癒すれば瘢痕も残らずやがてほとんど元どおりになるので、正常な機能を取り戻していれば問題ないようです。ただ、骨折をそのままにしているといつまでも痛み続けたり、変形したまま癒合したりすることがありますので、心当たりや心配がある場合はなるべく早く整形外科を受診してください。一般的には骨折後〜2週間程度ならば治療が可能とのことですし、それ以上時間が経ってしまってからでも治療をすることでより良い状態になることが望めるそうです。
骨粗鬆症の場合に骨折しやすい部位は、背骨(胸椎や腰椎椎体の圧迫骨折),手首(橈骨遠位端骨折),太ももの付け根(大腿骨頚部骨折),肩(上腕骨近位部骨折)など、日常生活の中での負荷がかかりやすいところです。
骨粗鬆症の疑いがあって、背中や腰が痛む場合はやはり骨折の可能性やリスクを疑って圧痛や可動性をよくチェックしますが、カイロプラクティックの施術を受けられないということではありません。圧迫負荷のかかりやすい部位の負荷軽減を目指して、神経のはたらきや筋力バランス改善などを目的とした施術をおこないます。骨折治癒後の可動性回復や筋力アップのリハビリとしてもご利用いただけます。
骨折予防としては、カルシウムやビタミン、タンパク質などの適量摂取といった栄養面はもちろんですが、転ばない,ぶつけないための筋骨格神経系のはたらきやバランスといった運動器・運動機能面での維持,改善、姿勢と運動がとても重要です。これは骨粗鬆症ではない人にも言えることです。
(M)