自然治癒力とは何か
自然治癒力とは、人間など生物が持っている、ケガや病気を治したり生体を常態に保とうとしたりする力・機能をまとめて表す言葉です。自己治癒力ともいい、生体が生まれながらに持っている能力です。
分かりやすいのは、転んでヒザをすりむいた時の、出血が止まりキズが塞がって組織が修復し元どおりに戻る力や、風邪のひき始めなどに薬を服用しなくても回復するといったことなどでしょうか。
私たちのからだに備わっている自然治癒力には、大きく3つの要素があります。
“自己免疫力(防御・抵抗する力)”，“自己再生力(再生・修復する力)”，“ホメオスタシス=恒常性維持力(常態を保つ力)”です。
それぞれ、免疫系，自律神経，ホルモンなどによって複雑に調節されており、体内で反応が順調におこなわれて、必要なときに適切に生体内でバランスを取り機能して健康(常態)を保つように本来はできています。
たとえば前述の、転んでヒザに擦りキズを負ったケースで考えてみると、痛みを感じればエンドルフィンが分泌されて痛みをやわらげ、キズから細菌などの外敵が侵入しないように白血球などが闘い、擦って壊れた細胞は自己修復・再生してキズが完治する…といった具合です。
ただ、“何らかの問題”があって免疫系や自律神経系やホルモン系の機能低下やバランスの乱れなどが生じると、自然治癒力は低下して病気にかかりやすくなったり、病気やケガが治りにくくなったり、疲労感が取れなくなったり常に何となく不調を感じたりするよう(病態・異常)になってしまいます。
この、自然治癒力を低下させる“何らかの問題(あるいはその原因)”というものが実にさまざまあり複数絡み合っていることや原因不明のこともあります。
と言っても難しいことではなくて、よく言われる運動，栄養，睡眠などの生活習慣や、ストレス、姿勢、呼吸、排泄などが乱れると、免疫力の低下や自律神経の乱れやホルモンバランスの崩れに関わっているという数値データ(科学的根拠)も現代では数多く示されています。
これまでお伝えしてきたことの繰り返しにはなりますが、カイロプラクティックでは特に“背骨のゆがみ”を矯正することで、自然治癒力が高まることを重視しています。背骨の“ゆがみ”は神経のはたらきを阻害し、筋力バランスや自律神経の乱れなどに影響を及ぼして、生体が本来持っている最善の状態になろうとする力を妨げると考えられるからです。
身体の“ゆがみ”や、何となくの不調、外傷によらない痛みなど、本来持っている力の低下を感じた場合はカイロプラクティックもお役に立てることがあると思います。
（M）
