[Topic]予防するということ
先日ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが予防的乳腺切除、乳房再建術を受けたというニュースが世界中で話題になり、日本でも「乳がんの予防は・・・」、「早期発見・・・」、「日ごろの・・・」などとニュースになりました。皆さん記憶に新しいのではないでしょうか。
さて、毎年この時期に会社で検診を受け、コレステロールが・・・、高血圧が・・・などとご自身の健康について知る機会が多いのではないかと思います。専業主婦の方で毎年必ず人間ドックへ行くという方は、会社で仕方なく受けている方よりも、健康意識が高い方が多いですね。大抵の方が気にされるのが成人病(癌、脳卒中、心臓病)の原因と言われる、高血圧・高脂血症(高コレステロール)、高血糖(糖尿病)です。食事に気をつけ、飲み物に気をつけ、毎日過ごされているのではないでしょうか。
私はカイロプラクターなので骨の健康が気になります。もちろん全身(筋肉や内臓器疾患なども)も気になりますが、どうしても姿勢や立ち方・座り方に目がいってしまいます。
人は痛みが出ないと自分が健康だったことに気が付きません。変形性関節症や狭窄症などはなにも昨日今日変形が始まったわけではありません。実はじっくりと毎日毎日徐々に徐々に変形していくのです(※圧迫骨折・急性のヘルニアなどは除きます)。変形する場所は普段一番負担のかかっている場所です。首が前に出ている方は下部頚椎に、腰がまっすぐな方は下部腰椎の変形やすべり症など、人それぞれですが、原因があるからこそ、変形という結果が出てくるのです。骨は強固であるが故に気づかず変形が進行する方が多いのが問題です。
ではなぜ皆さんはご自身の姿勢や全身の状態を知ろうとしないのでしょうか?それは皆さんが若くて健康だからです。このページを読んでくださっている方は恐らく、痛みがあり、病院へ行ったが思うより改善がなく、代替医療を探されてこのページに辿りついた方がほとんどでしょう。変形性関節症の末期症状は急には出ません。変形が始まるのも早い方で30代の後半からです。
中には病院で変形性と診断を受けた方もいらっしゃると思いますが、最初に述べた通り、昨日今日変形したわけではありませんので、予防が可能な疾患のひとつなのです。外反母趾の外来などで、足の指の体操が効果的ですよといわれたが、イマイチ効果がわからない・・・、その通りだと思います。なぜならば治す目的よりも、進行(悪化)させないために行うものだからです。ですがその運動や姿勢に気を使うことが変形症にとってはとても有効です。
動脈硬化が原因の心臓病も、痛みが出てから病院に行っても手術しか方法は無いといわれるでしょう。でも毎日の食事に気をつけていれば、防げた病気かもしれません。
同じように膝の変形、脊柱管狭窄なども毎日姿勢や運動に気を使っていれば防げたかもしれません。もしくは診断を受けた方でも、急に痛みが悪化した場合は別の原因が考えられます。変形は前からあったのに、昨日今日膝や腰が痛いというのは何かしら他の要因を探すことが可能だと思います。
カイロプラクティックは症状のある方ばかりが来院するわけではありません。運動時のパフォーマンス向上のため・以前腰痛があり治った後も予防的に・・など、健康にも関わらずメンテナンスにいらしている方も大勢いらっしゃいます。
たとえ痛みが無くても左右の骨盤の高さが違う、パンツの裾がいつも片方だけ汚れるなどという方は歪みがあり、将来的に痛みや変形の予備軍といえます。
見た目の違いが無くても、痛みが無くても、ストレス(過度の負担)がかかっている場所は触ればわかりますし、それに合わせた予防的エクササイズなどもお伝えすることができます。定期的に自分の身体がどうなっているか、毎年の検診の様に定期的にチェックしてみてはいかがでしょうか。(K)