脚の付け根に痛み 違和感 グロインペイン症候群
足の付け根(股関節周囲)に痛みがでるものの中で、スポーツをしている方に多いのがグロインペイン症候群です。日本語にすると、鼠径部痛(ソケイブツウ)症候群となります。鼠径部とは、ビートたけしさんのギャグ「コマネチ」の辺りです。
サッカーの中田英寿選手や中村俊輔選手、ジダン選手たちもグロインペイン症候群を発症していたので、サッカー好きの方はご存じのことでしょう。スポーツの中でも、とりわけサッカー選手に発症することが多いので、サッカー選手の職業病とも言えます。
キック動作はもちろんのこと、ランニングや、急な捻転動作・方向転換による負荷がグロインペイン症候群の原因といわれています。そのため、サッカーだけでなく、バスケットボールやマラソン、アメリカンフットボール、ラグビー、アルティメットといった競技選手にも起こりうる障害です。
グロインペイン症候群は、恥骨結合炎、内転筋腱障害、腸腰筋の機能障害、スポーツヘルニア、外腹斜筋腱の損傷などの障害を総称して使われています。一度なってしまうと治りにくいのが特徴で、前述の中村俊輔選手は手術を行っています。そのため、早期発見で症状がひどくならないうちにケアすることが重要です。最初は、運動後のこわばりや硬さを感じる程度で、運動していない間に軽減していきます。しかし、悪化すると運動時に痛みを伴うようになります。運動していなくても軽減しない状態になってしまうと、症状が長引くので注意が必要です。
セルフケアとしては、十分なストレッチにより柔軟性の維持をはかり、運動後には炎症を抑えるためにアイシングをします。
カイロプラクティックでは、動かした時に痛む部位を検査していきます。仮に炎症が起きているなら、炎症を起こすほど負担がかかっている原因を特定する必要があります。股関節が拘縮しているのか、内転筋や腸腰筋の働きはどうか、腰椎や仙腸関節の機能不全はないかどうか、など検査していきます。例えば、単純に筋肉が短縮しているだけなら、ストレッチで良くなるはずです。しかしグロインペイン症候群になる場合、多くは筋肉の短縮だけが原因ではありません。筋肉を短縮させてしまう神経の機能不全がみられます。どの筋肉が機能低下しているかを、カイロプラクティック検査では特定することができます。特定の筋肉に機能低下がみられた場合、カイロプラクティックでは関わりの深い腰椎や骨盤の関節にアプローチすることで、神経機能の改善をはかります。その上で、ストレッチを行うなど日々のケアと併用することで、機能回復がより効果的となります。バランスが取れてくるので負担軽減につながり、痛みによる休息期間を短縮させることができるはずです。
まとめ
・グロインペイン症候群は、治りにくいので早期に改善することが望ましい
・運動後、鼠径部にこわばりや硬さを感じたら、準備運動やクーリングダウンをしっかり行う
・運動時に痛みが出てしまったら、カイロプラクティックで神経機能から改善しよう