[Topic]猫背 ③フラットバック(平背)
「猫背姿勢」についてこれまで、首や肩の前後の筋肉のアンバランスによって背中の上のほうが丸まり、顔が前に突き出たような姿勢になるのが特徴上位交差症候群や、一見“気をつけ”をしたような姿勢に見える「反り腰タイプ」の下位交差症候群についてご紹介してきました。
今回はこれらの丸まりや反り腰とは反対に、カーブの少ない背骨=フラットバック(平背)による猫背姿勢についてです。
背骨がまっすぐなのは良い姿勢なのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それは真後ろから見たときの話で、横から見たときには正常な背骨は緩やかなS字状のカーブを描いています。
・首…7個の骨(頚椎)で前弯(前側にふくらむカーブ)
・胸(背中)…12個の骨(胸椎)で後弯(背中側にふくらむカーブ)
・腰…5個の骨(腰椎)と骨盤の真ん中の骨(仙骨)で前弯(お腹側にふくらむカーブ)
この「生理的弯曲」によるクッション性のおかげで、頭や上半身の重さが分散されているわけですし、また歩いたときなどに地面から受ける衝撃を分散させて、どこか一部分だけに負担がかかることを防げているのです。
フラットバックは、デスクワークなどで長時間座っていることが多い方によく見られます。椅子に深く腰掛けられず、腰の前弯が消失してお尻が下がり、腰のカーブがなくなってしまうところから始まると考えられます。腰のカーブがなくなっても頭と上半身を支えるため、背中と首が調節した結果背骨全体のカーブが少なくなってしまうのです。
この姿勢は、椅子に座ったりどこかに寄りかかったりしているときは楽な気がしているのですが、自分のお腹や腰の筋肉をうまく使えていないためだんだん丸まっている腰や肩がこって痛くなってきてしまいます。それに、この姿勢を続けることにより、お尻や太もも裏の筋肉が短縮して固まり、短縮した筋肉が骨盤を後ろに引っ張るのでますます腰が丸くなります。
カイロプラクティックの施術を受けることによって、背骨や骨盤の動きや傾きが改善し、背骨全体の柔軟性が高まります。また神経の流れが良くなって固まったお尻や太もも裏の筋肉の柔軟性も回復しますし、腰やお腹の筋肉もはたらきやすくなっていきます。
(M)