歯ぎしり(噛みしめ)と肩こり
朝、目を覚ますとあごまわりの顔の筋肉が痛くて、首や肩もこっているということが冬になってから起こりやすくなっているようです。
人間は冬の寒い中でも活動するために筋肉の収縮や震えによって産熱したり、体の熱を逃がさないように無意識のうちに体を縮こまらせたりします。
寒い季節には眠っている間にも肩をすくめてしまったり歯を食いしばったりしやすく、体の緊張状態が続いてしまった上に奥歯をかみしめてあごとその周囲が疲労してしまうということが、起床時の肩こりやあごの痛みとなってしまうと考えられます。
寒さに関係ない歯ぎしり癖の原因は実ははっきりとは分かっていない(ストレスが関係しているのではないかと言われている)そうですが、寝室が寒かったり乾燥していたりすると、歯ぎしりや噛みしめを強くしてしまうことがあります。
強く噛みしめをしてしまうと、あごの関節(顎関節〈がくかんせつ〉)を動かす筋肉は異常緊張をおこし、顎関節の関節面、関節の間のクッションである関節円板を傷めることにつながり、さらには奥歯のすり減りの原因となってしまいます。そしてそれらがあごの痛みとなって出てしまうのです。
また、顎の筋肉(咀嚼筋・主に咬筋と側頭筋)は頭蓋骨にくっついていて、首の筋肉や肩甲骨にくっついている筋肉とは筋膜でつながっています。そのため、歯ぎしり癖や噛みしめは頚椎や肋骨や肩甲骨にも影響を与えて、一般的な首こり肩こりや側頭部の頭痛などの原因となっている場合も少なくありません。
そしてそれは反対に首こり肩こりが歯ぎしりの原因の一つになりうるということでもあります。
咀嚼筋を支配している下顎神経(三叉神経の三叉のうちひとつ)は頭蓋骨の穴(卵円孔)から出てきてあごに向かっており、頚椎の関節の間を通っているわけではありませんので、背骨の関節を矯正することが直接的に咀嚼筋を支配している神経のはたらきをよくするというわけではありません。
しかし前述のように、歯ぎしりや噛みしめによる咀嚼筋の異常緊張と首肩の筋肉のこりは相互に影響しあっていることが多く、頚椎、胸椎や肋骨のゆがみを矯正することによって首や肩の筋肉の異常な緊張がゆるんで咀嚼筋にも良い影響をおよぼし、あごのバランスも改善されていくというケースもよくみられます。
寒くなってから首こりや肩こりとあごの痛みが同時に起こるようになったという方はスターカイロに相談にいらしてください。
(M)