リンパとは?~コリやむくみとの関係~
首こりや肩こりの症状がある方に「首や肩甲骨回りの筋肉をストレッチしたり押したりすると痛いのは、リンパが滞っているってことですか?」ときかれることがあります。
多くの場合は「その筋肉が固くなって(過緊張を起こして)いるから伸ばしたり押したりすると痛い」のですが、その筋肉が固くなっていることによって血流だけでなくリンパの流れに影響を与えている可能性は少なくはないと思います。
リンパとは、毛細血管から外の組織へ浸みだした組織液(赤血球を含まない血液成分)のことで、この組織液は各組織の細胞に栄養を供給するとともに細胞から老廃物を受け取るというはたらきをしています。
リンパ(リンパ液)の一部は再び血管に帰りますが、残りは「リンパ管」に入ってのちに静脈の本幹に注ぐまで一方向に流れていきます。
リンパの流れが滞ると老廃物や余分な水分が組織に溜まってしまいます。その結果むくみが生じ、冷えやしびれ感、ぴりぴりした痛みなどが症状として現れることがあります。
リンパ管は静脈の本幹に注ぐまでの経過中に必ず一度以上は「リンパ節」を通ります。リンパ節はいわばフィルターの役割をしているところで、リンパ節内の免疫細胞が細菌や異物をやっつけて静脈へ注ぐリンパ液をキレイにしています。
リンパ節は首のまわりにも多く存在し、特に内頚静脈に沿って存在する深頚リンパ節(20~30個のリンパ節群)や、わきの下にある腋窩リンパ節 (20~40個)はリンパの大集団として重要です。
ところで、血液の流れは心臓がポンプの役割をしてくれますが、リンパ管にはそのような大きなポンプはありません。リンパ管の壁が収縮することによってリンパ液を流していることも明らかになってきましたが、歩行や運動にともなう筋肉の収縮と弛緩によって生じる力や、呼吸によって生じる胸腔内の圧力の変化、体の外からの刺激などがリンパ液を流す助けとなります。
そのため、筋肉の収縮と弛緩がうまく行われていなかったり、呼吸が浅くて胸の中の圧力の変化が少なかったりすることでリンパの流れが滞る可能性は十分あると言えます。
カイロプラクティックの施術でリンパにアプローチする場合は、扁桃腺や頚部(首)リンパに関係するところはC5(頚椎の上から5番目)、リンパ循環ならT12(胸椎の12番目・腰椎1番のすぐ上)のゆがみを見つけて矯正します。
その他にも、過緊張を起こしていて収縮と弛緩がうまく行われていない筋肉に関係する脊椎骨の関節を矯正することによって血流とともにリンパの流れが改善する場合もあると考えられます。
(M)