アキレス腱が硬いことで起こるからだトラブル

アキレス腱(踵骨腱・しょうこつけん)は、ふくらはぎの三頭筋・腓腹筋とヒラメ筋をかかとの骨(踵骨隆起)に付着させる腱です。人体で最も強く太い腱で、歩行や跳躍などの運動に必要不可欠です。
そのアキレス腱が適切な柔軟性をもっていないと、アキレス腱そのもののトラブルだけでなく、膝や股関節の痛みや腰痛、あるいは冷えなども引き起こしてしまうので注意が必要です。

アキレス腱はふくらはぎの中央近くからかかとにかけての部位を占めており、長さは15cmほどで上部ほど太く、かかとへ行くにしたがって細くなっています。
人体で最大の腱であるにもかかわらず血管が乏しいため、大きな負荷がかかって炎症や断裂などが起こると治りにくく、また主にコラーゲン線維からできているので、加齢によって柔軟性がなくなっていきやすいという弱点があります。
運動不足によってふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋・腓腹筋&ヒラメ筋)が柔軟性を失っていることも、アキレス腱が硬くなる一因となります。
雨が降っていると少しの距離でも外を歩くのがわずらわしく、日課のウォーキングもお休みしがち…というお話を耳にしました。今週からは気温も上がっていよいよ梅雨明けかと思われますが、そうなると今度は日差しの強さと暑さのせいで外で運動するのがつらくなります。また、せっかく歩いていても、長ぐつなどの足首が固定される靴や、歩くときに足を背屈させる(足の甲側につま先を上げる)ことがほとんどないヒールの高いサンダルなどを履いているとアキレス腱は硬くなってしまいます。つまりこの梅雨から夏にかけての2~3か月の間は特に注意が必要だということです。

アキレス腱が硬いと、歩行や跳躍などの際にかかとが地面から受けた衝撃が緩和されなくなります。そのためその衝撃が足の裏や膝から股関節そして腰に負担をかけ、それが蓄積して痛みとなってしまうというわけです。
また、アキレス腱が硬いことはふくらはぎの筋肉の柔軟性にも影響を与え、「ふくらはぎのポンプ機能」を低下させるので、血流がわるくなって冷えを起こします。

ふくらはぎの筋肉からアキレス腱にかけての柔軟性を高めるには、ラジオ体操などのいわゆるアキレス腱のばし運動の他、イスに座って、あるいはお風呂の中で足首を両方向にゆっくり回すと良いでしょう。軽い屈伸運動も効果があります。
ただ、アキレス腱の適切な柔軟性は人によって違いますので周りの人と比べて硬いからといって頑張りすぎないようにしてください。私もかかとを地面につけたまましゃがみ込むことができません。

カイロプラクティックでは下部腰椎(腰の背骨の下の方)と仙腸関節の問題が特に関係があるとみてチェックします。また、場合によっては足首の関節にアプローチします。
2019/7/23(M)


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