乗馬初心者が上達するコツ 体幹を安定させ体の使い方を覚える
馬に乗るようになったのは、大学入学後に馬術部に入部してからでした。体験入部で引馬に乗せてもらい、先輩から「おお、うまい、これならすぐ乗れそうだ」とおだてられ、その気になってしまって入部しました。
しかし入部後、いざ練習が始まると全く思い通りになりませんでした。先輩に調馬索で練習を見てもらうと、決まって「拳をあげるな」「脚を使え」「ちゃんと座れ」「目線は前」と注意されることの繰り返しでした。その都度直すべきポイントを伝えられるのですが、揺れる馬上では一つ言われるとそれ以外のポイントがおろそかになり、エンドレスで注意される始末でした。
しばらくして自分で馬を動かせるようになってからも、ハミ受けがうまくいかず馬をイライラさせてしまって暴走されて落馬したり、速歩で正反動をうまく取れずポンポンとお尻が浮いてしまったり、駈歩の手前が反対に出たり、反対周りになると(手前を変えると)途端に乗りづらくなってしまったり、課題は山積みでした。
今考えると、体の使い方が分かっていなかったのが原因だと思います。修正箇所を指摘されてそこを直しても、他のポイントがおろそかになるのは揺れているせいだけではなかったのではないかと思います。体幹が安定せず、色々無理な体の使い方をしてしまっていたのです。そのせいで、反動を踵から抜くことができず腰で逃がしてしまい、騎座が不安定になるばかりでなく腰痛にもなりました。馬からしてみれば、背中の上でドスドスポンポン動かれたら走りにくくどう動けばいいか迷ってしまいますよね。この変な癖は、競走馬の育成の仕事についてからも抜けなくて、何回も腰痛を繰り返してしまいました。
まずは正しい体の使い方を覚えると、上達がはやくなります。そのためにカイロプラクティックでは骨格から正して、正しい筋肉の使い方を再教育していきます。
お悩みの方は、可能ならご自身の乗馬しているところを動画に撮って持ってきていただけると助かります。その動きを参考に、検査を行ってどこを改善していけばいいのか、効果的な運動パターンの身に付け方を一人一人レクチャーさせていただきたいと思います。そして、次回のレッスンで気を付けるポイントをお伝えしますので、それを実践してみてください。その時の動画もまた持ってきていただいてフィードバックをしていただきさらに課題をクリアしていくことで、グングン上達していけるハズです。
最終的には人馬とも負担の少ないフォームになることで、扶助がしっかり伝わり操縦性があがっていくことでしょう。
(後藤)