ふくらはぎがダルい、押すと痛い
デスクワークの方でも立ち仕事の方でもふくらはぎがダルくなることがあります。
ふくらはぎが重くダルい感じになるのは、血行不良が原因であるケースがほとんどです。立ち仕事の場合は筋肉の疲労によるいわゆる筋肉痛か、あるいは反対にデスクワークの場合と同様に同じ姿勢でいたことによる運動不足でふくらはぎの筋肉の柔軟性がなくなっていることで、老廃物や疲労物質を含んだ血液が重力によって足に溜まってしまって酸素や栄養を多く含む血液との入れ替えがうまくいっていないと考えられます。
これは一般的にもよく知られていて、足首の曲げ伸ばしをしたりふくらはぎを揉んだりストレッチしたりして対策をとっている方も多いのではないでしょうか。
ふくらはぎ(下腿後面)の筋肉は、浅層(皮膚に近い表層)とその下の深層の筋肉に分けられます。上記のようなセルフケアの場合にアプローチしているのは表層の筋肉です。
表層の筋肉は腓腹筋とヒラメ筋で、合わせて下腿三頭筋と呼ばれます。
腓腹筋は最も表層にあり、子持ちししゃもにたとえられるような特徴的なかたちの二頭の筋肉です。
ヒラメ筋は腓腹筋のすぐ下にある強力な筋肉です。
腓腹筋とヒラメ筋との共通の腱がアキレス腱です。これらの筋肉は一緒に動き、走ったりジャンプしたり体のバランスを取ったりするために足を底屈(かかとを引っ張り上げて足の甲側が伸びるような動き)させます。
大きくて強い筋肉(と腱)なので、動かすことによる血液のポンプ作用は絶大です。
ただ、下腿三頭筋のケアをするだけではダルさや重く鈍い痛みが取れない場合があります。
そこで注目したいのがその奥にあるふくらはぎの深層の筋肉です。
下腿三頭筋の奥には、内側から外側へ順に長指屈筋、後脛骨筋、長母指(母趾)屈筋という筋肉があります。
下腿三頭筋がアキレス腱となってかかとの骨に付着しているのに対し、これらの深層の筋肉は長い腱を持っていて内くるぶしを通り足の裏まで伸びています。
足の底屈作用の他、長指屈筋と長母指屈筋は名前の通り足の指を曲げます。長母指屈筋は足の親指だけに付いているのですが非常に強い筋肉で、歩くときや走るときの地面を蹴る前・足を地面に押し付ける、跳ねるなどの動きを起こします。長指屈筋は他の四指を曲げる筋肉です。
一番奥にある後脛骨筋は足の裏を内側に向けるはたらきをします。スネ(下腿前面)側にある前脛骨筋と拮抗関係でありながら骨間膜を共有しているため、特に歩き回ると疲れやすくストレッチしにくいです。
これらふくらはぎの深層筋をケアするには足首だけでなく足の指を動かす必要があります。
デスクワークの場合はもちろん、日頃営業や飲食店のホールなど仕事で歩き回っている場合でも、靴を履いているためになかなか足の指まではじゅうぶんに動いていないものです。それでふくらはぎの奥の筋肉は硬くなりやすく疲れがとれにくくなっていることが少なくありません。こうなっていると押したらかなり痛いです。
ふくらはぎの筋肉は浅層も深層も脛骨神経の支配を受けていますので、関係の深い背骨は腰椎の下部〜仙骨上部です。カイロプラクティックでは、筋肉へのダイレクトなトリートメントだけでなく、このように関係の深い背骨のゆがみをチェックして矯正することでふくらはぎのつらい症状にアプローチします。
(M)