姿勢の悪さや腰痛、膝痛の原因にも!お尻の筋肉の衰え

テレワークや外出自粛、続く雨などで歩く距離が極端に少なくなり、「お尻が痩せた」というお悩みをききました。この場合の「痩せた」は「お尻の筋肉が落ちた(衰えた)」ということなので良くない傾向です。
お尻の筋肉が落ちると見た目に垂れ下がってしまう以外に何が良くないかということを、お尻の筋肉のはたらきを見ながら考えていきます。

お尻の筋肉の代表といえば、大殿筋,中殿筋,小殿筋です。
大殿筋は皮膚層の下一番浅層にありお尻全体を覆って股関節の外側とそこに付着している筋膜や靭帯に停止する大きな筋肉です。
主な作用は股関節の伸展(足を後ろに引く動き)と外旋(膝やつま先を外側に向ける方向の動き)です。
歩いているときやジョギングのとき、階段を上り下りするときなどの際に地面を蹴る役割としてとても重要ですが、立っているときや立ち上がるとき、前屈みになって戻るときにも、骨盤を支えて下半身を安定させ、身体を起こすことができるのは大殿筋がはたらいてくれるおかげです。

中殿筋はお尻の横側にある筋肉で大殿筋よりも深層にあります。小殿筋は中殿筋のさらに奥にあり、中殿筋とともに股関節を外転(足を外に開く動き)させるのが主な作用です。
足を横に開いて持ち上げる機会なんてそうありませんが、中殿筋と小殿筋が外転方向にはたらいてくれるおかげで歩くときなど片足立ちになる際に身体を安定させることができるのです。

つまり、これらお尻の筋肉が弱ってしまうと、いざ歩くときにふらつく,立ち上がるときに腰に負担がかかる,階段を上り下りするときに膝に負担がかかるなどなどということが起こってしまいます。

お尻の筋肉を鍛えるには、歩く,走る,階段の昇り降りをするということを日常的に行うのが良いですが、それらが難しい場合には家でできるエクササイズがあります。
大殿筋は足を後ろに引く・蹴ることでエクササイズになります。固定されたところに捕まって片足ずつ後ろに蹴り上げます。
中小殿筋は足を横に開くときにはたらきますので、横向きに寝て上になっている足を上げます。
左右各10回×3セットを目安に。どちらも腹筋とお尻を意識して、腰に負担をかけないように行いましょう。

足が上がらない,左右で上がる高さや疲れ方に違いがある,腰が痛くなりそう…などという場合には、骨盤や腰にゆがみがあるかもしれません。お尻の筋肉は何れも骨盤に付着していて、支配神経はL4〜S2が主ですからどこかにゆがみがあるとうまく筋力を発揮できませんし、筋肉が使われていないと腰や骨盤にゆがみができやすくなります。
カイロプラクティックではそのようなゆがみ:サブラクセーションを見つけて矯正(アジャストメント)をおこない、からだが筋力もうまく発揮できるような良い状態にととのっていくお手伝いをします。
(M)


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