激痛でも放置してしまう不思議な心理~正常性バイアス~
ちょっと驚いたのですが、強烈な症状があるにもかかわらず放置してしまうことがあるそうです。ご存知ガッテン!の「激痛でも放置!?心筋梗塞の意外な落とし穴」という回です。
今回は、心筋梗塞についてでした。公式サイトでは、心筋梗塞についての説明と早く治療を受けると95%が助かるという情報が載っています。反対に適切な治療を受けないと、24時間のうちに3割が亡くなると言われている危険な病気です。
早く治療すれば助かるのに、番組の調査ではなんと半数の人がすぐに病院へ行かなかったそうです。発作時の症状は強烈な胸の痛みですが、それでも放置してしまう理由が3つ挙げられています。それは、①自分は大丈夫だろうと思った、②症状が治まったから、③まさか心臓の病気だとは思わなかった、というものです。しかし放置するのはとても危険ですので、公式サイトを参考になさって適切な対応をとってくださいね。
さてこの不思議な心のクセは、「正常性バイアス」と呼ばれている心理だそうです。バイアスは先入観という意味で、社会心理学や災害心理学だけでなく今回のような医療用語としても使われています。日常生活を送る中で予期しない事態に直面したときに、それを正常範囲内としてとらえ心理的なストレスを回避するための脳の防衛本能と言えるものです。しかし本当の異常事態に直面した時は、正常性バイアスが仇となってしまうことがあります。そうならないためにも、正しい知識を身に付けて危険を回避できる直感を磨いておく必要がありそうです。
ところでカイロプラクティックを受けに来られる方の中で、症状がものすごく強くなってから来られる方が一定数いらっしゃることに思い当たりました。ギックリ腰や寝違え等で日常生活に支障が出るほど症状が強く、よくここまで我慢なさったなと思うくらいの状態も珍しくありません。そうした方たちに話を聞くと、これまで同様の症状を何回も繰り返してきた方もいらっしゃいます。今回もきっと良くなるだろうと思っていたがどんどん痛みが強くなって耐えられなくなった、という話はよく聞かれるところです。施術するこちら側の感想としては、症状が軽いうちに早めに来られる方が断然その後の経過も楽なのになあ、というものです。きっと理由はいろいろあるのだと思いますが、先ほどの正常性バイアスもかかわっているのではないかと感じました。何回も強い症状を経験されている方は、転ばぬ先の杖としてカイロプラクティックでメンテナンス・ケアを受けておいてはいかがでしょうか。
(G)