足首の後ろが痛む…アキレス腱炎
運動不足解消のためにウォーキングやジョギングを始めた人に起こりやすい症状のひとつに「足首の後ろ側の痛み」があります。動き始めやつま先立ちをしたときに痛むようになります。
ふくらはぎの筋肉とかかとの骨・踵骨(しょうこつ)とを結ぶ太くて丈夫な腱であるアキレス腱やその周囲の腱傍組織(パラテノン)が炎症を起こした状態・アキレス腱(周囲)炎と考えられます。
アキレス腱炎は一般に、剣道や陸上,バスケットボールやバレーボールといったジャンプスポーツなど、地面を蹴る動作を繰り返す運動選手にみられる傷害です。
発症の平均年齢は肉ばなれより高く、運動不足や加齢による腱の変性が関連しています。
アキレス腱とそれにつながるふくらはぎの筋肉の主な作用は、足関節を底屈させる動き・地面を蹴ってつま先立ちになる動きをすることです。
日常で長時間のデスクワークや車移動が多いなど普段あまり地面を蹴る機会がなく、ふくらはぎの筋肉が硬くなっているところへ始めた地面を蹴る運動で繰り返し負荷がかかることで、柔軟性が低くなったアキレス腱の周囲に炎症が起こるというケースが増えているのです。
特に座っている姿勢が崩れていて腰が丸まっている人や脚を組んでいる人など、骨盤全体あるいは左右の腸骨のどちらかが後傾している人では、太ももの後ろ側の筋肉・ハムストリングスもタイトになりやすく、下肢後面全体の柔軟性が低下しています。
その状態でしたら、アキレス腱周囲炎を防ぐためには、ゆっくり太ももとふくらはぎ、かかとのストレッチをしてからウォーキングやジョギングを始めて徐々に運動量(走る距離など)を増やしていくと良いです。
カイロプラクティックのケアでは骨盤の傾きや腰椎のゆがみを矯正します。可動域が上がることで、ウォーキングやジョギングの際に腰や骨盤や股関節が動かしやすいような状態になり、可動制限による伸縮負荷の低下や神経のはたらきの改善によって、下肢後面の筋肉とアキレス腱の柔軟性が高まります。また、すでに傷んでしまっている場合にも、腰椎や骨盤のゆがみの矯正は、アキレス腱にかかる負荷が低下したり周囲の回復力が高まったりするようなアプローチになります。
(M)