リウマチは若者に関係がある!?
高齢者の病気という印象のある関節リウマチですが、実は若い世代にも関係があるという情報がありました。ご存知ガッテン!の「イメージ一新!あの“関節の病”若き患者が今伝えたいこと」という回です。
公式サイトのグラフをご覧になると分かるのですが、関節リウマチと診断された年代を割合が多い順に並べると以下のようになります(10%以上の年代)。
40代>50代>30代>60代>20代の順になっています。
割と若い世代で発症し、女性が男性の4倍多く発症するそうですが(約8割が女性)、その理由は分かっていません。
詳しい症状や検査については「一般社団法人日本リウマチ学会」のHP内にある、関節リウマチのページをご覧ください。
教科書で習った関節リウマチ(RA)をおさらいすると、免疫異常が原因で関節に炎症がおきて痛みや腫れが生じ進行すると関節の変形もきたす自己免疫疾患です。
主な症状は、関節の痛み、腫れ、朝のこわばり等です。文字で書くとイメージしにくいですが、朝起きるとものすごい関節が痛くて、徐々に関節が変形して、進行すると日常生活に支障をきたします。いわゆるQOL(生活の質)が落ちてしまいます。「関節が破壊される」というのが、ピッタリな表現かもしれません。
明るいニュースとしては、寛解(かんかい)する人の割合が増えていることです。2000年に8.4%だったのが、2020年には61.2%になっています。発症しても日常生活に支障がない程度に回復できる割合が、この20年で劇的に増えています。これは、治療法が進歩しているからだそうです。以前は痛みを抑えるステロイドや鎮痛薬だけだったのが、1999年に免疫抑制剤が、2003年には生物学的製剤などが登場したことで、個々人に合う薬の選択肢が増えて効果を発揮できるようになっているのです。
寛解のために重要なのが、早期発見です。関節が破壊される前に、治療を行いましょう。若い人も自分と関係があると思って、チェックしてみてください。番組で紹介されていたのは、以下の2点です。
①朝起きると関節がこわばるが、しばらくすると楽になる
②複数の関節が腫れて、触るとブヨブヨする
この2点に当てはまったら、専門医に相談してください。膠原病(こうげんびょう)を専門に扱う病院です。
ところで、関節リウマチの人はカイロプラクティックを受けられるのでしょうか。
関節リウマチの人に施術することは可能です。例えば手指の関節が変形して痛い場合、直接その部位には施術できませんが、そこに神経を送っている背骨に対して施術を行うことで神経の働きを正しておく、といった方法で対応することが可能です。また、全く関係のない部位に関しては、通常通りカイロプラクティックの施術を行うことができます。
なお関節リウマチでは、環軸椎亜脱臼といって背骨の一番上が不安定になる可能性があります(全ての人がなるわけではありません)。カイロプラクティックでは関節の動きが悪いところを元通り動くようにしていきますので、こうした不安定(動き過ぎる)な関節に対して施術を行うことはありません。ご安心ください。
我々が所属する団体(一般社団法人日本カイロプラクターズ協会JAC)から「カイロプラクティックの安全性に関するガイドライン」が発行されています。よければご覧ください。
関節リウマチは、カイロプラクティックの禁忌症になっています。なぜなら、関節リウマチは進行すると「関節の破壊」を伴い変形していくからです。進行させないのが何より重要で、早期治療し寛解するためにも早期発見が重要です。来院された方に疑いがあれば、カイロプラクティック適応かどうかをしっかり判断します。必要であれば、専門医の受診を勧めます。カイロプラクターとして常に情報をアップデートして、来られた方の利益につながるよう精進し続けたいと思います。
(G)