産後の骨盤の開き ゆがみ
産後、骨盤が開いたまま戻らない感じや骨盤が歪んでいるような感じがあってカイロプラクティックのチェックと矯正を希望なさる方は多いです。
開いた骨盤はどれくらいで元に戻るのか?出産で骨盤はどんな風に歪むのか?などの質問を受けることも多いので、今回は妊娠〜産後にかけて骨盤がどのように変化していくのかを簡単に書いていきます。
妊娠中、胎児の成長にともなって子宮筋を弛緩させるためリラキシンというホルモンの分泌が増えます。リラキシンは子宮筋だけでなく骨盤を支える靭帯や骨盤底筋にも作用して弛緩させ、そのため骨盤の前側の関節・恥骨結合も、後ろ側の関節・仙腸関節も可動性が増加します。
恥骨結合は左右への離開や上下のズレを起こしやすくなり、恥骨結合の離開やズレが起こると仙腸関節の弛緩性が増加します。
骨盤を前(お腹側)から見た図
出産時には娩出の場合上記のような骨盤開大に加えて、骨盤下口部を拡大させるために尾骨(いわゆる尾てい骨と呼ばれる部分)が伸展(後ろに開く)します。
出産後、子宮はおよそ6週間で元に戻ります。腹筋や骨盤底筋、拡大した骨盤上口下口も徐々に元に戻っていき、順調にいけば骨盤底のダメージは1~2ヶ月でほとんど回復します。そこから骨盤が本格的に締まり始めるのは産後4~6ヶ月くらいからです(もちろん個人差があります)。
このように、妊娠出産は骨盤、そして全身に大きな変化とダメージを与えますので、元に戻るのもそれだけ時間がかかります。開いている感じがしても、焦らずに、少しずつととのえていきましょう。
カイロプラクティックでは、産後まだ2ヶ月以内くらいの緩んでいる仙腸関節に矯正はおこないません。産後ホルモンバランスが妊娠前のように戻っても骨盤が開いていると感じているのは、骨盤底筋や腹筋群や股関節周囲の筋肉などにまだ力が入りにくいために安定性が回復していないからであり、妊娠中の姿勢によってこれらの筋肉に関係のある胸椎や腰椎に問題が生じていると考えられますのでそこをチェックして矯正します。
骨盤がゆるんでいるときにはデスクワークや育児の中で仙腸関節にズレが生じやすく、そのまま骨盤が締まっていくと骨盤のゆがみになりますので、産後3,4ヶ月以上経っている場合は骨盤もチェックして必要に応じて積極的に矯正をおこないます。
(M)