[Topic]手根管症候群…手の痛み痺れ
手根管症候群は、親指,人差し指,中指と薬指の中指側に痛みやしびれが起こり、同部に感覚の鈍さを伴います。手全体に症状が及ぶ可能性もあり、夜間あるいは明け方に灼熱痛や疼くような痛みやチクチクしたしびれが強い傾向があり、目が覚めるほどのこともあります。重症化すると母指球(手のひらの親指の付け根の部分)が萎縮します。
これらの症状が手首の手根管のところで正中神経が圧迫されることによって生じるため手根管症候群と呼ばれています。最も頻度の高い絞扼性神経障害と言われているほどよくみられます。
手根管とは手首の靭帯や筋肉や骨に囲まれた細い管になった部分で、腫瘍や骨折やむくみなどによって管内が圧迫を受けやすい部分です。
多くのケースでは腫瘍や骨折などがなく原因がはっきりしませんが、考えられることとして、妊娠や出産,関節リウマチ,糖尿病や腎疾患などによって起こるむくみや、手首の使いすぎによって手根管内を通る手指の屈筋腱が炎症したりすることなどが考えられます。
「手首の使いすぎ」の例として多いのは、書類や伝票めくりなど手首の曲げ反らしを繰り返す,包丁やドライバーを使うなど手首を伸ばしたまま繰り返し力を入れる,電動工具などを使用して手首が長時間振動にさらされるなどの他、不良姿勢でデスクワーク(キーボード打ちやマウス操作など)をすることが原因になるという議論があります。キーボードやマウスの位置や高さを変えるなど人間工学的な是正を行うと症状が緩和することがあるからです。
そうであればカイロプラクティックでは、デスクワーク中に手首が曲がりっぱなしあるいは反りっぱなしになってしまうような、手首の負担が大きくなるような猫背姿勢の改善や、手根管の中を通る手指の屈筋(曲げる筋肉)腱にかかる負荷を軽減したりオーバーユースからの回復力を高めたりすることを目指した頚椎のゆがみの矯正などを行います。(手首の細かい骨どうしの間の関節のゆがみがあれば直接アプローチすることもあります。)
(M)