経過観察と保存療法
関節や筋肉の痛みなどで整形外科を受診したときに、「手術をするようなものではないので痛み止めと湿布を処方しますから様子をみてください」「ブロック注射をしたのでまた痛くなるようならまた来てください」「膝の負担を軽くするために減量しましょう」「肩関節の可動域をひろげるリハビリをしてください」などなど、診断の結果手術が必要な疾患ではなく経過観察となることは多いと思います。
上記の例のような手術以外の(出血を伴わない)治療法は保存療法(保存的療法)と呼ばれます。安静,薬物療法(経口薬,注射・注入薬,湿布や軟膏などの外皮用薬),徒手矯正と徒手整復,牽引,固定(テーピング,ギプス,装具など),理学療法(物理療法,電気療法,水治療法など),運動療法(関節可動域訓練,筋力増強訓練など)などがあり、経過観察も保存療法のひとつと考えられます。
保存療法は、痛みの発生機序や原因,組織の損傷の程度などなどの違いによって異なるため、画一的な治療とはならず多様です。
たとえば急性の筋スパズムや繰り返し動作などによる炎症は冷やす→消炎鎮痛剤(湿布や飲み薬など)を使用して炎症の痛みを抑え、組織の修復のためまずは安静にすることが大切ですが、なぜその部分が傷んだのか、再発防止にはどうすれば良いのか、その後のケアも必要です。
はたまた膝の痛みは5%の減量(60kgの人なら3kg減らして57kgにする)で改善すると言われているくらい効果が期待できるケースは多いですが、膝周囲の筋力バランスも重要です。
長年の体の使い方のクセから背骨に“ゆがみ”があって筋肉がうまく力を発揮できていないせいで、薬で痛みが一時的に引いてもまた同じように負担がかかって痛むのではないか?神経のはたらきが阻害されて回復力が低下しているせいでリハビリの効果があらわれにくいのではないか?このように考えて、背骨の問題をチェックし、カイロプラクティックアジャストメントという徒手矯正を用いて自己治癒力の活性化の助けとなることを目指しています。
(M)