「歩き方がおかしい」?…正常な歩き方とは
下肢(足や膝や股関節)に痛みや変形などの問題を抱えている場合に、「歩き方がおかしいのではないか」と気になる方は多いと思います。コロナウイルス感染症の流行で外出自粛が数年にわたり続いていたせいで歩く機会が減り、足腰の関節や筋肉が可動制限や機能低下を起こしているケースが増えました。歩く機会が増えて痛みを感じる方,正常な歩き方が分からなくなったというご相談などもあります。
“代償行動”の観点から考えると、「歩き方は痛みや問題があるとおかしくなる」ので、原因ではなく結果と言えます。
「歩き方がおかしくなる」原因として、靭帯や半月板などの組織の損傷や関節の変形、胼胝(たこ),魚の目などといった器質的な問題以外にも、骨盤,腰のねじれや、筋力のアンバランスなどの機能的な問題があります。
ただ、器質的あるいは機能的な障害がなくても、身体特性(体格など)や心理的状態によっても歩行の運動パターンは異なり、例えば一般的に「日本人の歩き方」と言われるような、お尻の筋肉である大殿筋や中(小)殿筋が他の国の民族に比べると発達しづらく弱いために後ろに蹴り出す力が弱く歩幅が小さく前屈みになる歩き方や、疲労歩行と呼ばれる股関節や膝を屈曲してゆっくりした足運びになる歩き方も正常歩行の変形と分類されます。
ではおかしくない・正常な歩き方とはどのようなものなのかというと、足先はやや外側に開いて足を前に出し、かかとから着地して足底を親指の付け根に向かって重心移動し足先で踏み返すのが、最小のエネルギーで最大の推進力を発揮する身体各部位の負担が最小の歩き方と言えます。
ファッションショーのモデルのような歩き方は一見美しく、姿勢良く歩く姿は真似したいところですが、一本の線の上を両足でたどるような「はさみ歩き」は正常歩行とは違っていて非効率な歩き方で足には負担がかかっているとのことです。
カイロプラクティックでは器質的な問題も、骨盤や背骨の関節のサブラクセーション(カイロプラクティック的に言うゆがみ)によって神経のはたらきが阻害された結果、重心のかたよりや筋力低下が起こったために生じていると考えて施術を行いますので、器質的な障害の治療後の正常な歩き方のリハビリや再発防止・予防のお役に立てると考えています。
(M)