「関節がかたい」ってどういうこと?
カイロプラクティックの施術をおこなうにあたって、首や体を曲げたり伸ばしたり横に傾けたり左右にひねったりしていただきながら背骨を押して矯正が必要だと思われる背骨について「関節がかたい」とか、「関節がロックしている」などの表現を使います。
この「背骨の関節がかたい」というのはどういうことなのかというと、背骨以外の関節について一般的に関節がかたいというときと同じで「可動域が狭い」ということです。
たとえば「股関節がかたくて開脚ができない」「足首がかたくてしゃがんだ時にかかとが浮く」などの関節のかたさは、可動域が狭いということがわかりやすいかと思います。
関節のかたさが生じているという状況は、その関節の周囲の筋肉や靭帯そして関節の骨そのものに変性変化を引き起こします。
「かたい関節」の中には、そのようにして関節を形成している骨と骨が癒着を起こしてしまっているものや、骨そのものが変形したり肥厚したりして可動域を制限しているものもあります。
背骨は動かさなければ関節そのものが硬くなっていき、いずれ変性や癒着が起こります。長時間のデスクワークなど同一姿勢が続くと、ある一部の筋節(筋肉の最小単位)が収縮しっぱなしになって筋硬結が生じ、これが関節のかたさと関連するケースも多くあります。
背骨の場合関節がかたいと可動制限やそれによる動作痛が生じるだけでなく、関節の間(椎間孔)から出てくる末梢神経のはたらきをジャマしてしまうため、その神経の支配領域にも異常を引き起こしてしまいます。
たとえば腰椎(腰の背骨)の関節がかたいと、腰痛だけでなく股関節や膝など脚に痛みなどの異常が現れる可能性が大きいです。そのうえその神経の支配領域の筋肉の柔軟性は回復しにくくなります。
これらの解決には、背骨の関節へのカイロプラクティックの矯正が有効です。
背骨の関節のかたくなっているところを矯正することで、可動制限やそれによる動作痛が改善するだけでなく、筋硬結や筋肉の過緊張が軽減すると考えられるからです。
また、支配神経という考え方から、一見背骨とは関係なさそうな背骨から離れた部位の症状が改善されたり、からだ全体の調子が良くなったりすることも期待できます。
(カイロプラクティックでは、この「神経のはたらきをジャマしている背骨の関節のかたいところ」を「サブラクセーション」と呼んでいます)
(M)