内ももを押すと非常に痛いのですがこれは何ですか?
Q.日ごろ全然痛みを感じていない太ももの内側を押したとき、膝に近いほど圧痛が強いのですがこれは何ですか?
A.内側広筋という筋肉がこっている状態かもしれません。
膝の痛みがある方だけでなく、腰痛のケアやデスクワークのコリのメンテナンスにいらした方の施術をするときに、内ももの筋肉にアプローチをすることがあります。
内ももには膝や骨盤のゆがみと安定性に関わる内転筋群,縫工筋,薄筋,内側広筋などの筋肉があって、背骨や骨盤の関節の矯正とあわせてトリートメントをすると、膝痛や腰痛などのケアにより効果的なケースがあるからです。
トリートメント方法としては該当する筋肉に関係のある背骨のゆがみを矯正する以外に、ストレッチや直接筋肉の押圧をおこなうのですが、この直接押圧をおこなうと内転筋や内側広筋の特に斜走線維という膝の近くの筋肉に特に強い痛みを感じる方が多いです。
内転筋群は骨盤(坐骨や恥骨)から太ももの骨にかけてくっついている筋肉なので、股関節の内転(内側に閉じる動き) だけでなく骨盤を含む下半身の安定に貢献しており、骨盤のゆがみに影響します。
内側広筋は大腿四頭筋という膝を伸ばす筋肉のひとつで、膝関節の伸展(膝を伸ばす)が主な作用であり、膝の安定に関わっています。
座っている間に内ももに力を入れて膝を閉じている人(主に女性)は内転筋がこっていることもありますが、座りっぱなしで歩く機会の少ない現代人は内転筋の筋力が弱っている人の方が多いと言われています。そうなると、立っているときや歩くときの骨盤の安定を保つのに内側広筋に力が入り負担がかかることが、内側広筋がこってしまう原因なのではないかと考えられます。
さらに、膝を伸ばす大腿四頭筋のうち内側広筋ばかりが過緊張を起こしてしまうと、膝が内側に引っ張られやすくなり、膝関節の内側が痛くなるということも起きてしまいます。
歩行やトレーニングによって内転筋や内側広筋が適度な柔軟性をもって筋力を発揮し、腰痛,膝痛,筋肉の痛みなどが起こらないようにするためには骨盤や背骨のゆがみをただすことが大切です。内転筋と内側広筋に関係する背骨は腰椎の2~4番ですので、そこにゆがみがあると筋力がうまく発揮されなかったり筋肉の過緊張が緩和しにくかったりします。
内ももを押すと痛いということは上記のように腰椎・骨盤のゆがみや、腰痛・膝痛につながっている可能性があるということですので、意識的に動かしたりお風呂上りなどにストレッチをしたりカイロプラクティックの矯正を受けたりして予防しましょう。
(M)