良い姿勢を維持するのに必用な筋肉は、腹筋?背筋?
Q:良い姿勢を維持するのに必要なのは腹筋?背筋じゃないの?
A:もちろん背筋が必要ですが、腹筋も同じくらい必要で、重力下で現代的な生活をしている場合背筋よりも腹筋の方が弱くなりやすいので、腹筋を鍛えることをおすすめしています。
背筋(せすじ)を伸ばすことに限らず、関節を動かしたりポーズをとったり(維持)するときには、その動作をおこなうときに主に動く筋肉・主動筋と、反対の作用をして動作をおこなう速さや力や角度などを調節する筋肉・拮抗筋とがペアになってはたらいています。
分かりやすいところでいうと、腕(肘)を曲げるときの主動筋は上腕二頭筋、拮抗筋は上腕三頭筋です。肘を伸ばすときには主動筋と拮抗筋が逆になります。
良い姿勢を維持するときに主動/拮抗してペアになってはたらくのが、背筋(群)と腹筋(群)で、主動筋と拮抗筋のバランスが良いことが良い姿勢・負担の少ない姿勢を維持するカギとなります。
ヒトは直立二足歩行とは言え、日常動作のほぼ100%を体の前側(お腹側)でおこなっており、それにともなって頭の位置が前傾していることがほとんどです。
このとき、頭の重みによって、上体を前に曲げる力は重力のサポートを受けます。つまり、寝ているところから起き上がるような、腹筋の筋力によって曲げているという状態とは違うのです。
重力によって体が前傾してもそのまま前に倒れていかないのは、背筋など後ろの筋肉がひっぱって支えているからです。重力下で生活していると常にこのような状態なので、立って歩いて生活している場合、背筋が弱るということは通常なかなか起こりません。
対して腹筋は前述のとおり重力のサポートを受けがちなので弱くなりやすくその結果反り腰になったり、そのまま背筋が負担の大きさに耐えられなくなると円背になっていったりしてしまいます。上体を後ろに反らしたときに腹筋がプルプルする人は要注意です。
姿勢をただして腹筋をはたらかせると、まず頭の位置が前傾しづらくなります。まずそれだけで首や肩、そして背筋や腰への負担が少なくなります。
姿勢をただしたとき、頭の位置が肩の上にならずに首や背中に詰まり感など違和感がある場合は、不良姿勢による背骨のゆがみができてしまっている可能性大です。背骨のゆがみがあると、姿勢をただすためにはたらく主動筋/拮抗筋ペアのバランスが崩れてしまいます。
カイロプラクティックのチェックで、前後のペアだけでなく左右のペアのバランスの崩れを見つけ、矯正をおこなった上でエクササイズをおこなっていきましょう。良い姿勢を自然にとれるようになると、見た目に美しいだけでなく、からだの負担が少なくなって疲れにくくなり、猫背姿勢にもなりにくくなります。
(M)